ブックタイトルしろありNo.163
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しろありNo.163
8 T e r m i t e J o u r n a l 2 0 1 5 . 1 N o . 1 6 3る。さすがにシロアリもこの柱の夏目部分には入れなかったものとみられる(写真3)(図1)。 また, 品質と同時に用材として使用するための乾燥の仕方にも問題がある。現代においては作業性, 工期またコスト等の面においても難しいことであるが, 山間部の道路網が整備されていない時代においては, 伐採された木材を筏に組んで川を流して運搬していた。川の水に漬けて流すことにより自然に樹液と川の水が入れ替わり, 陸揚げの際に程よく乾燥して, その上狂いも少ない良質の木材となった。また, 樹液量が少ないためにシロアリ等の虫害に遭いにくくなったものと思われる。 このように蟻害等はいろいろな条件が重なることによって生じるものであり, これらの要因を一つ一つ丁寧に解決していくことが大事である。特に木造建造物においては雨を漏らさぬこと, そして通風・換気を良くすることに尽きるのである。写真3 土台上端 丸柱撤去の状態図1 土台部分断面図