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概要

しろありNo.163

Termi te Journal 2015.1 No.163 23度, vstの割合についてANOVAとTukey’s testを用いて, 比較を行った。初期蟻道建設速度は建設開始日から5日間の間に計測し, 被覆面積とvstの割合は30日目のデータを用いた。 コロニー間の建設過程と構造の全体の比較のため,主成分分析(Principal component analysis: PCA)を13の変数(0?10日, 10 ?20日, 20 ?30日それぞれの間で建設された蟻道の総伸長距離とvstの割合, 開始蟻道数, 蟻道先端数, 蟻道交点数, 被覆面積, 初期蟻道建設速度, 建設開始日, 左右性指数(LI))について行った。LIは(R-L)/(R+L)で計算され, R,Lはそれぞれ5日目までに時計回り, 反時計回り作られたestの長さを表す。開始蟻道数, 蟻道先端数, 蟻道交点数, 被覆面積は30日目のデータが用いられた。蟻道を全く形成しなかったグループ(40グループ中3グループ)においては, vstの割合, 初期蟻道建設速度, LIは0とした。全ての変数はクラスター解析時と同じ式で標準化した。主成分分析により13の変数は2つの構成要素(第一主成分・第二主成分)に減らされ, これら2つに分散分析(ANOVA)を行うことで, 同一コロニー由来の分集団が建設する蟻道は似た建設過程と構造を持つ一方, 異なるコロニー由来の分集団とは異なるかどうか, つまりコA B C00.10.20.30.40.50.60.7a020406080100120A B C D E F G Hbbcbcbcbcbbaadcdab abcabcbccD E F G H遊走蟻道の割合初期建設速度 (mm/day)コロニーコロニーA B C00.10.20.30.40.50.60.7020A B C D E F G Hbbcbcdcdab abcabcbccD E F G H遊走蟻道の割合初期コロニーコロニー図2  蟻道形成の過程と出来あがった構造についてのコロニー間の比較。    それぞれ (a)初期蟻道建設速度、(b)遊走蟻道(vst)の割合についての比較で、平均値±標準誤差(s.e.)が示してある。異なる小文字のアルファベット間で有意な差が見られた(Turkey’s test, p < 0.05)。Mizumoto and Matsuura,( 2013) 5) より改変-4 -2 0 2 4-3-2-1012ABCDEFGH第二主成分第一主成分図3  蟻道建設過程と出来あがった構造の両方の特徴を含む主成分分析の結果。第一主成分(Comp1)は分散全体の47.85%を、第二主成分(Comp2)は17.99%を説明するものである。図には平均値±標準誤差(s.e.)が示してある。Mizumoto and Matsuura,( 2013) 5)より改変