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概要

しろありNo.163

32 T e r m i t e J o u r n a l 2 0 1 5 . 1 N o . 1 6 33.試験A 二種比較試験 ホウ酸塩処理材とピレスロイド処理材について, イエシロアリ営巣を用いた食害試験を行った。1)試験実施日  平成26年8月18日から8月25日まで  (7日間)2)試験場所  廣瀬産業株式会社 シロアリ飼育室3)使用薬剤  次の2薬剤を用い食害試験を行った。  ①ホウ酸塩製剤(日本木材保存協会認定薬剤)  ② ピレスロイド系薬剤(日本しろあり対策協会認定予防駆除剤)有効成分:ペルメトリン4)試験用木材  150℃で1時間蒸煮処理したカラ松蒸煮木材  寸法:35mm×35mm×150mm5)薬剤処理方法    規定濃度の薬剤処理液を容器に用意し, 現場で行う吹付処理を想定し処理ムラを無くすため10分間の浸漬処理を行った。処理後, 算木上で液垂れを行い, 扇風機で乾燥させた。6)使用したイエシロアリ営巣    飼育を始めて6年が経過した, 営巣12年程度と推定されるイエシロアリ営巣を用いた。7)試験方法(写真3, 4)  ① 職蟻が集まっている飼育営巣の餌場木材上に半レンガを置き, その上に, ホウ酸塩製剤とピレスロイド系薬剤で処理した試験木材を設置した。  ②試験木材にAEセンサーを取り付けた。  ③24時間ごとに設置木材のAE計測を行った。  ④ 7日目に設置木材を取り出し, 加害状況を観察した。8)試験結果    試験開始24時間後, AE計測を行った。ホウ酸塩処理材の10分間AE発生数は12で, イエシロアリがホウ酸塩処理材を加害していることを確認した。ピレスロイド処理材のAE発生数は0で, ピレスロイド系薬剤処理面がイエシロアリの加害を阻止していることを確認した。    7日目, ホウ酸塩処理材は蟻土で覆われた。ピレスロイド処理材への蟻土構築は僅かであった(写真5)。ホウ酸塩処理材のAE発生数は4,411で, ピレスロイド処理材のAE発生は無かった。ホウ酸塩処理材がイエシロアリにより激しく加害されていることを確認した。AE計測後, 試験材を取り出し, 蟻道を除去し被害状況を確認した。ホウ酸塩処理材は著しく加害されており, 7日間の食害率は重量比45%であった(写真6)。ピレスロイド処理材は試験期間中AE発生が無く, 無被害であった(写真7)。試験木材の食害率を表1に, 試験期間中のAE発生数を表2に示す。写真2  AEセンサーホルダー構造ホウ酸塩処理材ピレスロイド処理材食害率45% 0%(無被害)表1  二種比較試験 7日間の食害率(重量比)表2  二種比較試験 試験木材のAE発生数経過日数AE発生数/ 10分ホウ酸塩処理剤ピレスロイド処理剤1 12 02 83 03 403 04 2,714 05 4,445 06 4,313 07 4,411 0