ActiBookアプリアイコンActiBookアプリをダウンロード(無償)

  • Available on the Appstore
  • Available on the Google play

概要

しろありNo.163

Termi te Journal 2015.1 No.163 47⑥  江崎しろありエキスパートシステムと見積, 販売,顧客管理システムの導入 江崎しろありエキスパートシステムとは, 基本となる知識ベースの中に当社施工技術やノウハウを登録・蓄積し, 知識ベース検索エンジンに対して現場状況を入力するだけで自動的に施工概要を設計することができるシステムである。施工概要の自動設計結果を技術者が最終確認・補正した施工設計内容に基づき自動積算見積をする江崎しろありエキスパートシステムと見積システムの連携したシステムを構築する。知識ベース検索エンジン開発はシステム会社に依頼するが, 中核となる知識ベース本体は当社作業標準, ハウスメーカーとの作業内容取り決め事項および技術部員, 営業部員の施工ノウハウを, 当社で整理し登録していくことで, 当社技術員が今後のメンテナンスを自由自在に実施していくことを目指す。5.将来の展望 現在6つの設備を投入する計画を立てているが, これらの設備を投入することで次のような効果が得られる。5.1 床下点検ロボット, 壁内点検器具 現在, 大手ハウスメーカーの点検に多くの営業を投入している。そこに対してベテランを投入するのではなく, 若手を投入して活性化をはかることにより, ベテランは新規開拓や既存の顧客に対して注力し, 組織としての営業力強化へとつながる。また, 今後の労働人口の減少を想定し, どのような人でも点検ができる体制作りは必要不可欠で有る為, 展望として子育てがひと段落した女性を営業スタッフとして雇用し, 壁内点検器具やロボットを活用した点検サービスを展開する。また, 主に一般の工務店に対し新築後5年が経過した物件に対してのアプローチツールとしても活用し, 再施工率を高める。売上増加が見込める。更に,点検サービスを充実させることにより, 従来は下請企業として仕事を受注するだけの体制であったのを, 新築時の施工から保守点検業務へとつなげることで, ビルダーと顧客を繋げつづけるパートナー体制も築きあげることが可能である。5.2  地中探査機, 壁内調査機, 床下点検ロボットの導入平成25 年度の新築施工実績の内, 大手メーカーが売り上げの大部分を占めている状況である。これらの物件は現在新築工事のみを請けている状況であるが,メーカー側からもこれらの施工物件に対する再施工を依頼されている状況である。そこで, 調査機を用いて入居者への負担を最小限に留め, 地中探査機を用いて確実な提案と施工を行うことで受注につなげることができる。例年の新築施工実績物件の内, 1割相当の再施工を受注することで, 売上増加が見込める。5.3  江崎しろありエキスパートシステムと見積,販売, 顧客管理システムの導入 上述の通り, 現在はハウスメーカーや地元工務店からの新築, 既築の予防工事を中心の受注構成である。本来であれば利益率の高い直契約の既築予防工事の受注を増やして収益をアップさせていくべきであるが,現状では営業要員が見積作業などの内部事務作業に40%程度を費やしており, ハウスメーカー対応の営業を除けば, 個別案件発掘のための外回り活動に営業パワーを掛けることが出来ない状況である。江崎しろありエキスパートシステムと見積システムの連携システムの構築により,① 営業の内部事務作業を半減させることが出来, 既築の個別案件発掘のための外回り活動に従来の2倍以上の営業力を投入できるようになる。② 従来はレベルの高い技術経験者しか一線営業部員として活躍できなかったが, そのハードルは数段低くなるため若手や女性の営業要員の即戦力化が可能となる。 今回, はじめてのチャレンジとして, 以上の内容で申請し, 採択を頂ける結果となったが, 申請するにあたり, それらの制度の一つひとつの意味を考えていくと, 現在のわが国がどの様な社会を求めているのかを感じることが出来た。また, 今回は記載していないが,申請にあたり社内の売り上げ構成や原価計算などを1から分析し直した。具体的な成長戦略を数字で出す必要があったからである。このように, 補助制度を活用すると補助金だけではなく, 組織や社会について, 私達の企業がどのようにあるべきなのかを改めて考えさせられる大変良い機会であったと考える。中小企業庁の他にも様々な省庁より補助制度が施行されているので, 特に事業継承を考えている企業には是非ともチャレンジして頂きたい。