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概要

しろありNo.163

Termi te Journal 2015.1 No.163 492.研修の目的と方法 研修会参加者にアメリカカンザイシロアリの被害状況, 生態, 駆除方法を理解してもらう目的で, 1日目は建物の被害状況を見学して家具などの解体を行った。2日目は主に駆除の方法を経験者に実演してもらい穿孔や薬剤注入のコツを手ほどきしてもらった。 参加者が2日間でのべ90名以上になったことから,現場を6つのブロックに分け, 6班に分かれてローテーションして研修を行った。当日行った研修事項を箇条書きにて記載する。① 床板や天井を除去して床下や屋根裏の加害状況を観察した。② AE(アコースティックエミッション)検知器の原理や設置方法, 使用方法について学んだ。③ マイクロ波探知機(ターマトラック)の原理や使用方法について学んだ。④ 被害を受けている家具を解体して坑道の状態やアメリカカンザイシロアリの生息状況を観察した。⑤ 泡状の薬液による駆除を行うのが一般的であるが,薬液を注入する穴の穿孔方法(ドリルの感触)等について学んだ。⑥ 薬液の注入方法(注入音の聞き分け)などを学んだ。⑦ 粉剤による駆除方法についても考察を行った(パッファーによる注入)。⑧ コーキング材に殺虫成分を混入させた薬剤の使用方法を学んだ。3.結果 以下, 今回の研修で得られた結果を箇条書きにて記載する。① 床板と天井を除去することによってヤマトシロアリやイエシロアリでは必ずあると言ってよい床下食痕や蟻道, 蟻土がなく, 床下点検だけではアメリカカンザイシロアリの生息の有無は確認できないことがわかった。② AE(アコースティックエミッション)はシロアリが木を齧る際に発する音をセンサーで拾って数値として読み取る機械である事, 非破壊検査ができる事,センサーをゴムバンド等でしっかり木材に密着させる事が大事である事, 音を拾える範囲はセンサーの両側30cm程度である事などがわかった(写真3)。③ マイクロ波探知機(ターマトラック)は電磁波の反射によってシロアリの存在を確認できる機械であって非破壊検査ができる事, AEと組み合わせて調査することによってより精度の高い調査ができることなどがわかった(写真4)。写真2 研修地付近の航空写真写真3 AE検出器設置状況写真4 マイクロ波探知機(ターマトラック)の使用状況