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概要

しろありNo.163

52 T e r m i t e J o u r n a l 2 0 1 5 . 1 N o . 1 6 3研究発表信州における基礎断熱被害と駆除事例株式会社ランバーテック 丸山 淳治1. 省エネ法改正 増える基礎断熱と床下エアコン暖房 今年は土砂災害などが多い夏だったが, 地球温暖化が進んでいる証拠と見られている。そんな中, 省エネルギー基準が平成25年基準として来年以降義務化に向けて大きく変更される。それに伴って基準は断熱基準から一次エネルギー基準という, エネルギー消費量によって評価されるようになる。東日本大震災を受けて,原子力発電所が停止されている中, 電気代などエネルギー費用が高騰する今の世の中にあって, 効率がよく快適な床下エアコン暖房が注目されてきている。それに伴い基礎断熱の強化は必須の状況である。我々防蟻業者にとって基礎断熱工法は建物へのシロアリの侵入被害を増長させる点で仕様化反対の論も多く聞くが,環境対策・省エネルギー・快適で家計にやさしい住まいを実現するための断熱技術と防蟻を両立して長くお住まい頂くための対策を提案していくのは大切であると考える。 寒い気候であるが, シロアリ被害も多い信州では,他のシロアリ被害の更に多い温暖地や被害の少ない寒冷地に比べて早くから基礎断熱と蟻害に対する防除を行ってきたので, ここにその実例を報告する。2.ソーラーサーキット住宅(築20年・松本市) 築20年で外基礎断熱のソーラーサーキット住宅から羽アリが発生した。ソーラーサーキット住宅とは躯体の外側に発泡系プラスチック断熱材ポリスチレンフォーム(PSF)カネライトを外張して躯体内を空気循環させる住宅で外基礎断熱を採用する住宅が多い。 一報を受けると羽アリが発生した部分の外基礎断熱を中心に非破壊蟻害検査機器ターマトラックR(TTD)を当てて検査を行う。この際も羽アリ発生直後のほうが検査しやすい。検査によって一番反応が良い場所の基礎外部仕上げモルタルをインテリアバールで剥がすと蟻道が出てくる(写真1)。その近影(写真2)。剥がす範囲はベイト剤容器+αの大きさ。写真1 被害部のモルタルの剥離写真3 露出した蟻道の木口写真2 被害部の拡大Presentations at the research Meeting