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概要

しろありNo.164

Termite Journal 2015.7 No.164 13表1 劣化部位の項目と報告書記載内容場所部位分類名報告書における記載内容床下土台土台, 地覆床束床束, 束, 束柱, 柱(床下に見られるもの)など大引大引, 大引きなど根太根太, 根太掛けなど板・部材等床板(床下側), 板材, 根がらみなどその他束石, 基礎, 土壌など床上柱柱, 間柱など梁梁板・建具等壁(土壁含む), 床板(室内側), 天井板(室内側), 窓枠などその他畳, 竹, 段ボールなど小屋裏垂木垂木棟木・母屋・束棟木, 母屋, 小屋束など梁・桁小屋梁, 軒桁など軒・板等軒端, 軒先, 軒鼻, 野地板などその他竹など外外部切り株, 記念碑, 柵, 束石など全て不明写真・コメント・所見などから部位を特定できないもの表2 劣化要因と報告書における記載内容劣化要因報告書における記載内容シロアリ蟻害(跡含む), 蟻道, 蟻土, 羽アリの羽など木材腐朽腐朽(跡含む), 白色腐朽, 褐色腐朽など木材食害害虫シバンムシ類, ケブカシバンムシ類, 甲虫類などカビ,汚染カビ, 動物の糞, シミ, 雨漏りの跡, コケ,藻類などその他クラック, 木材食害害虫以外の虫による巣・穿孔, 変色など不明コメントがなく判断できないもの, 健全など候・範囲・程度・湿気・通風状況など。  診断方法:蟻害腐朽箇所は非破壊検査(目視, 打診,触診, 圧入検査等), 腐朽環境については, 湿度計, 含水率計など計測機器を用いることもある。5)報告 検査結果と対応措置の必要性の有無について報告書を作成し, 教育委員会等調査依頼主に報告する。また,要望のある場合は, 所定の手続きを経て, 蟻害・腐朽検査証を発行する。2.2 劣化部位・要因・程度, 劣化部位の方位について 劣化の客観的評価として, 報告書から劣化部位とその要因, 部位の方位等を拾い出し, 部位名, 要因, 程度から劣化程度の数値化を試みる。本研究では, 部位は床下6項目, 床上4項目, 小屋裏5項目, 外部, 不明の計17項目とした(表1)。  図1及び図2に示すように, 報告書においては劣化部位名, 劣化内容, 状況・程度がコメントとして記載されている。しかしながら, 報告書によっては, これらの一部もしくは全てが記載されていないものや, 劣化の程度が検査員の主観的判断により, ABCのランク付けがされているものもあるなど, 報告書によって記載内容にばらつきがあった。なお, コメントに部位名の記載がなければ写真から判断し, 社寺の特殊な部位は,写真や位置から17項目に置き換えている。No. 23A-18土台上の柱古い蟻害損傷耐力無図1 報告書における劣化部位の例(O市民族資料館)図2 撮影位置と劣化位置の表示例(O市民族資料館)