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概要

しろありNo.164

24 Termite Journal 2015.7 No.1642.2 結果 まず, それぞれの試験体の生存率を調べた結果, 各試験体の生存率の平均値と標準偏差は, C1:77%,15%, C2:82%, 7.6%, C3:83%, 6.6%であり, 実験環境として適切であると判断した。 図5にC1~ C3それぞれのFL_avg, FR_avgを示す。なお, 各試験体におけるFL_avg, FR_avgの差に関して,対応のある t 検定を用いた。18回の中でのばらつきも大きく, 全ての試験体でL材とR材の摂食量の間に有意差は認められなかった。また, C1~ C3のFsum_avgの試験体毎の差に関し, 対応のない t 検定を用いたが有意差は認められなかった。Evansらが乾材シロアリに対し行った同様の実験5, 12)では, シロアリの種類により嗜好は異なるものの木材の長さで摂食活性の差異が生じている。これに対し, イエシロアリは摂食する木材の内部からその寸法を評価しない可能性がある。3. 木材を摂食する際に発生する振動の測定・分析3.1 設定 図6に, イエシロアリが木材を摂食する際に発生する振動(摂食振動)の測定の概略図を示す。材(スギ辺材, 長さL, 断面積A=20×20mm2)の一方の材端に摂食振動測定用のTermite cell 2(図7)を設置し, 他方の材端に加速度ピックアップを設置する。職蟻30頭をTermites cell 2 内に閉じ込め, 材を摂食させる。L=40, 80, 160および320mmの4種の材に対し, 大分大学無響室内でそれぞれ30分間測定を行った。 高速フーリエ変換(FFT)には, 矩形窓を用い, サンプリング周波数は12.8kHzとする。短時間フーリエ変換(STFT)には, Hanning窓を用い, サンプリング周波数は12.8kHz, フレーム長は640, オーバーラップは50%とした。図5  C1?C3における摂食量の平均値FL_avg, FR_avg:ns, Not significant.Block-LBlock-R図6 材を摂食する際に生じる振動・音響信号測定概要図図7 Termite cell 2図8  L=40の木材で測定された振動・音響信号の例, (a) 摂食時に生じる信号が確認された場合,( b) 摂食時に生じる信号が確認できない場合