ブックタイトルしろありNo.164
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しろありNo.164
Termite Journal 2015.7 No.164 33いて, 泥炭地の土壌凍結は厳しく定着繁殖は出来なかったので結果的に, 家屋被害物件が増えなかったのではないだろうか。また, 青山7)が本誌No.25で1974年から過去5年間にわたり, 5月初日から6月末日の間で, 午前9時から12時にかけて群飛好適日を選び, その日の12時の風向を16方位で調べた(表3)。群飛好適日の風向は東南東または北, 北北西と北西の風であった日が多く, これらの風に逆らうほどの飛翔力を持たないシロアリの飛翔移動方向とし, 今後, 北東方向から東には発生する可能性が低いと報告した7)。筆者による今回の調査物件分布図と照合すると, この群飛方向説による推定は実証されたように思われた。即ち,札幌市内の区で唯一調査物件の無かった厚別区は調査依頼の多かった中央区, 豊平区, 西区, 白石区に対してほぼ東側に位置する。分布の少なかった北区, 東区は北または北東側に位置し,これらには泥炭地の区域が多かった。つまり, 調査物件が少ない地域は地勢だけでなく羽蟻の群飛好適日の風向も影響していると考えられたのであった。自然堤防花畔低地砂丘泥炭地扇状地札樽自動車道道央自動車道札樽自動車道道央自動車道図4 札幌市内低地の地形区分(中村「札幌の自然を歩く」引用)図5 石狩川下流域の水害による冠水地域(中村「札幌の自然を歩く」引用)