ブックタイトルしろありNo.157

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概要

しろありNo.157

?研究発表会? 沖縄県における白蟻被害国  吉  光  則 ( 22 )しろあり No. 157, pp.22―28. 2012年1月1. はじめに 沖縄県でシロアリによる建築物の被害はほとんどイエシロアリによる被害と言っても過言ではない。新築後の建物がわずか4カ月で食害され家主にとっては信じられない事であり,新築時の喜びが悪夢に変わり,シロアリの怖さを知る。 鉄筋コンクリートで堅固な建物が白蟻被害にあうとは予想しないのが一般的な考え方であろう。イエシロアリは建物周りの庭先に生息して,建築中の建物の型枠を解体する時すでに型枠材を食害している場合もあり,庭先には常に生息しているからである。 イエシロアリの建築物食害は新築後1年~2年でその被害にあうのが多い(写真1)。新築時にシロアリ防除を行う場合の現場条件等が考えられる・・・?の群飛で羽蟻が電灯の明かりをめがけて飛びまわり我々白蟻業者にとっては本格的な白蟻駆除シーズンがスタートし1年中で最も忙しい時期を迎える。写真2 ヤマトシロアリの羽蟻写真3 イエシロアリの兵蟻写真1 新築1年半の住宅(玄関インタフォンの被害) 亜熱帯に位置するわが県は高温多湿の為イエシロアリ,ヤマトシロアリ,カンザイシロアリ,コウシュンシロアリ,にとって最高の棲み家になり一年中活発に活動していて,まさにシロアリ天国となっている。沖縄県では年中シロアリ防除工事が行われている。2月ごろヤマトシロアリの群飛を迎え(写真2),4月~5月頃の蒸し暑い夜イエシロアリ(写真3) その時期人々はイエシロアリの羽蟻を見てシロアリと呼んでいるが家を食害している職蟻(働きアリ)の存在にはほとんど気付かない。少数の羽蟻が家の中の電灯の周りを飛びまわっただけで自分の家がシロアリに食害されたと思いこみ早く調査電話依頼があり建物所有者にとって不安な日となる。昔から沖縄の先人達はイエシロアリが飛び立った時その日は最良の日と思っていてそれはシロアリの結婚,カップル誕生というようなめでたい日としてとらえてい