ブックタイトルしろありNo.157

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概要

しろありNo.157

( 23 )た。沖縄の先人達はイエシロアリの群飛をとても良いように表現していたことを白蟻業者としては感心するばかりである。 飛び廻っていた羽アリは羽根を落とし,カップルとなり,タンダムに歩き最初の親となる準備をする。コンクリートの割れ目や切り株,湿気の多い場所を探し求めて行き,女王,王となりコロニーを形成する。コロニーが大きくなるとそれから建物に侵入し,シロアリ被害が始まっていく。 まず,シロアリの被害を見つけるには床下を入念にチェックし,コンクリート壁にそって割れ目,パイプ等の配管類,湿気の多い場所なども入念に調査するのがよい。 一般的に住人が最初に気付くイエシロアリの被害は畳の被害であり年末の大掃除の際畳の何らかの異変に気付き畳を起こすとそこには大量のシロアリが杉板や畳の裏面を食害しているのを発見する(写真4)。写真4 畳のイエシロアリの被害 晴れた日に畳を天日干しする時にシロアリの被害を発見し,それから我々業者は白蟻駆除工事をしていくうちに,柱,壁,天井,家具等,玄関先,水回り等への被害を見つける(写真5,6)。 畳のシロアリの被害を発見したことにより,シロアリが建物にどれくらいの被害を及ぼしているかが分かる。住人はもちろん我々白蟻業者としても注意深くシロアリの被害を確認し防除にあたらなければならない。 新築4年目にRC 造2階建ての建物の2階の階段の壁からイエシロアリの羽蟻が飛び出し駆除を行ったが建物に接している倉庫には本や,ダンボール等にイエシロアリの巣が構築されイエシロアリの格好の住処となった。建物内部の床下ではイエシロアリ写真5 配管周りからのイエシロアリの蟻道写真6 床下にできたイエシロアリの蟻道の栄巣があり4年間の間にかなりの食害が広がり離れた別の場所の畳間にも根太,大引き(スギ材)が食害され畳にもかなりの食害を及ぼしていた。 蟻道が土間スラブと壁立ち上がりの亀裂から延びてきて食害に及んだものであった。 沖縄県において鉄筋コンクリート造は,建物内部の土間はコンクリートスラブで施工されほとんど光,風を嫌うシロアリ達にとっては最高の住処となり土間スラブ無と土間コンクリートスラブとでは土間コンクリートスラブ施工のほうがイエシロアリの食害のスピードが速くイエシロアリにとって土間スラブの下は活動拠点として水分の摂取,本巣を形成するのに適した場所であろうと思われる。 大型店舗の売り場から羽蟻の群飛があり,原因を調べた所フローリングの根太・大引きが食害され同時に腐朽も進行しており,通気性も悪くイエシロアリにとっては最高の生息場所となっていてシロアリは建物外部からの侵入によるものであった。 店舗のアルミサッシのコーキング部分にイエシロアリの被害をうけ,そこからイエシロアリの群飛があり店舗内のファーストフード店の営業に支障をきたした(写真7)。