ブックタイトルしろありNo.158

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概要

しろありNo.158

( 34 )ンを占拠しているコロニーに属しているならば,そのことにより,生き残りのメカニズムを解明する手助けになる可能性がある。もし,イエシロアリが洪水で上昇してきた水嵩よりも高い位置に住んでいたか,あるいは高いところへ逃げ延びることができれば,洪水の期間を通じて安全な場所に生き延びていることになる。したがって,これらの安全な場所から採取したイエシロアリのサンプルは,他のサンプルと共に分析するときに用いた。合計29の洪水前のサンプルと38の洪水後のサンプルをこの研究のために使用した。マイクロサテライト遺伝子タイピング 洪水前と後のサンプルごとの20頭の職蟻をオイアゲン社の血液(体液)と組織を用いたDNA 精製キット(オイアゲン社,バレンシア,カリフォルニア州)を使用してDNA を抽出した。 ヴァーゴとヘンダーソン(2000)によって,規定されている遺伝子座特異的プライマを用いて,6つの遺伝子座位のマイクロサテライトを増幅するためにポリメラーゼ連鎖反応(PCR)を用いた。 これらの遺伝子座位はassort independently として知られ,ニューオーリンズにおいて遺伝子を使ってイエシロアリの個体数を分析するために最近用いられている。(Husseneder et al. 2005, Vargo et al. 2006,Husseneder et al. 2007, Aluko and Husseneder 2007)。電気泳動はLI-COR 4300 DNA 分析器(LI-COR,Lincoln, NE)を使用した。統計分析 洪水前の個体サンプルが洪水後のサンプルと同じコロニーの個体であったか否かを確認するために,対数尤度(ゆうど)比統計量-G 統計を使って対立遺伝子頻度の有意差を検査した(FSTAT ; Goudet2002)。対立遺伝子頻度が明らかに異なったサンプルまたは別の対立遺伝子が存在したサンプルは別のコロニーであると考えた。各々のコロニーの繁殖構造はメンデル分布を分析することによって決定した(Husseneder et al. 2005, Husseneder et al. 2002, Vargo etal. 2003)。 予想したメンデル比率(それぞれの遺伝子座におけるG- 検査の値の総和の内で最良の合致)とコロニーの観察された遺伝型頻度がかなり異ならないならば,コロニーは単一家族のコロニーと分類した(Thorne et al. 1999, Bulmer et al. 2001, Vargo et al.2003)。 観察された遺伝子型頻度が予想したメンデル比率とかなり異なるならば,コロニーは複合家族のコロニーと分類された。結 果 合計67のサンプルを5%の有意水準で並替検定を行った結果,浸水しなかった試験場で3つのイエシロアリのコロニーが存在し,ハリケーン・カトリーナの来襲後で4つのコロニーが,存在したと結論づ表1.地中設置型モニタリング・ステーションから集めたシロアリの個体数と洪水の深さと浸水期間の一覧シロアリの個体数洪水の深さ浸水の期間試験地の名称洪水前洪水後(m)1 (日数)2フレンチマーケットパンアメリカンスタジアムオールドベイヨウメタイリエ公園と遊歩道ポンプ場 No.7タッドゴームレイスタジアムルイアームストロング公園サウスゴルフコース合計595112512951112112512901.5-1.80.3-0.60.6-0.90.6-0.91.2-1.50.3-0.61.2-1.5010-145-105-105-1010-145-1010-14注1 国立海洋気象管理局の推定値 2 連邦危機管理庁の推定値