ブックタイトルしろありNo.158

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概要

しろありNo.158

( 3 )PCR 用反応液は,PCR キットとしてTakara Ex Taq(Takara bio), プライマーとしてITS1 (5’-TCCGTA GGT GAA CCT GCG G-3’) と ITS4 (5’-TCCTCC GCT TAT TGA TAT GC-3’)を用いて調製した。PCR は ABi 2720 thermal cycler (AppliedBiosystems) を用い以下の条件で行った。初期変性94℃で3分の後, 94℃で15秒の変性,55℃で30秒のアニーリング,72℃で30秒の合成を25サイクル実施の後,最終増幅72℃,5分である。PCR 産物はpGEM-T Vector に連結しE. coli JM 109 に導入した。この大腸菌 を1 日培養後, そのプラスミドをMiniprep DNA Purifi cation Kit を使って抽出・精製した。Applied Biosystems 3730xl DNA Analyzer( AppliedBiosystems)を用いて,プラスミドベクターに連結したPCR 産物の塩基配列を解析した。得られた結果をBLAST 検索し,菌種を同定した。また,相同性を検討するためにRAPD(Random amplifi edpolymorphic DNA,増幅断片多型)解析を行った。PCR キットにはTakara Mighty Amp (Takara bio),RAPD プライマーとして10 mer のランダムプライマーB05,B06,B09,B10(Operon 社)を用いた。温度サイクルは,初期変性98℃で3分の後, 98℃で15秒の変性,37℃で20秒のアニーリング,68℃で1分の合成を45サイクル実施の後,最終増幅68℃,5分とした。得られたPCR 産物をアガロースゲル電気泳動で分離した。電気泳動法によって得られたバンドを1/0のデータとして遺伝的距離を算出1)し,MEGA 42)を用いてデンドログラムを作成した。4.結果と考察4.1 温湿度推移 実験住宅周辺外気および各区の温湿度推移を図3に示す。いずれの値も10日間の平均値で示しており,変動幅は標準偏差である。これから明らかなように,外気温湿度の変動幅は年間を通じていずれの試験区よりも大きい。一方,換気区では夏から秋にかけて若干大きくなる程度で,密閉区ではほとんど変動がなく安定的に推移している。しかしながら,いずれの試験区でも温湿度推移が外気の推移と連動している。温度は外気と各試験区で大差はないが,湿度には差が認められ,外気で60 ~ 90%程度,換気区では60 ~ 95%程度と若干高くなる時期(6月~9月)が示された。これに対し密閉区では90%を超える時期がまったく示されないという特徴があった。換気区の場合,外気で湿度が高い時期(6月~9月)には湿度が外気より高くなる。これは,温度が高い状態の外気とともに水蒸気が床下に流入した時に,床下の温度が外気より若干低めで推移することに起因していると判断できる。図3 外気および各試験区の温湿度推移2011年3月1日~2011年11月30日まで,10日ごとの平均値で示した。測定結果の示されていない期間は,センサー故障による欠測