ブックタイトルしろありNo.159

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概要

しろありNo.159

TERMITE JOURNAL 2013.1 No.159 7報 文Reports1.はじめに 森林総合研究所(略称・森林総研)はわが国最大の森林・林業・木材産業の研究機関である。その中の木材産業に関する研究部門, とりわけ建築用材としての木材・木質材料について研究開発を行っている部門では, これまで材料や接合部, 構造部材を対象とした性能評価を主として行ってきており, それらを用いた実際の木造建物の性能を評価するところまでは建設費用や実験装置, 建設用地などの兼ね合いでなかなか実現できなかった。そこで, 森林総研が研究開発に係わった木材・木質材料を用いた実験住宅を実際に建設し,それを評価することによって明らかになった問題点を今後の木材・木質材料の研究に生かすことを目的としたプロジェクト研究を立ち上げることになった。森林総合研究所における実験住宅の建設とねらい森林総合研究所構造利用研究領域木質構造居住環境研究室 杉本 健一 実験住宅を建設するにあたり, 特に住宅デザインや省エネ性について, 外部から広く意見を募る目的で平成20(2008)年度に『近未来の木造住宅』設計コンペ(森林総研主催)を実施した。最優秀賞作品は, つくばの森林総研内に実際に建設することとした。森林総研の研究成果を盛り込んだ実験住宅であるとともに, 森林総研として推奨できるような住宅を建設するために,下記のような設計条件をつけた。①構造種別:木造(平屋建を除く)②使用材料:・耐力壁に, 厚さ24mmの構造用合板を使用・床構面に, 厚さ28mm の構造用合板等を使用・木質材料は国産材を使うよう努めること③敷地条件:・敷地面積:210 ㎡・用途地域等:第1種低層住居専用地域,都市計画  区域内,市街化区域・建ぺい率/ 40%,容積率/ 80%・前面道路:北側で幅員6mの道路に接する④建物規模:延床面積 120 ㎡ 程度⑤家族構成:夫婦およびこども2人⑥駐車場:敷地内に2台分の駐車場を設ける。ただし建物内に車庫は設けない。図1 実験住宅の外観(上:南東面, 下:北西面) 図2 実験住宅の内観(1階東側から西側をみる)