ブックタイトルしろありNo.159

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概要

しろありNo.159

TERMITE JOURNAL 2013.1 No.159 9イジング処理)と薬剤処理していないヒノキ集成材(心材のみで構成)を併用することとした。両者の比較ができるようにとの理由からである。ヒノキ集成材は心材のみで構成されていることを発注時の要件としていたが, 実際には製造が困難で,納品された集成材には辺材が含まれていた。施工後に, ヒノキ製材, ヒノキ集成材とも材料表面への薬剤吹付処理を行った。図4 実験住宅の土台(左側:ヒノキ製材, 右側:ヒノキ集成材)5)外壁の耐力壁(図5):耐力壁には24mm厚の厚物合板(商品名:ネダノンスタッドレス5+)を採用している。西面の外壁の耐力壁に, 保存処理薬剤を加圧注入した厚物合板と, 合板の接着剤に保存処理薬剤を混入した厚物合板を交互に張り,それらの耐久性の比較ができるようにした。6)基礎の高さ:床下に入って行う劣化の点検などの作業性から, 基礎高さを約400mmから約600mmに変更するようお願いした。結果的に基礎の高さが高くなったことで, 耐久性上有利となる可能性もある。3.おわりに 実験住宅は竣工して丸2年が経過しようとしている。これまでに, 住宅の微小振動(常時微動), 環境振動, 気密性, 室内空気質の計測等を実施しており, 現在は柱に貼ったひずみゲージのひずみ量の変化や, 実験住宅内外の温湿度などを継続して測定している。劣化に関しては目視による観察を続けているが, 現在のところ劣化は生じていない。竣工して3年目となる平成25(2013)年度には外壁のメンテナンスを実施する予定である。今後も引き続き, 実験住宅の耐久性に関する調査を始め, 部材, 躯体, 振動性状, 居住快適性等の計測を実施しデータを積み上げて学会や雑誌等で公表していく所存であり, 注目していただければ幸甚である。  参考文献1) 森林総合研究所設計コンペ「近未来の木造住宅」 -安全・快適・高耐久・省エネ-受賞作品集 http://www.ffpri.affrc.go.jp/pubs/chukiseika/2ndchuukiseika9.html図5 実験住宅西面の耐力壁に使用した厚物構造用合板   (右側窓の左隣, 中央の合板が加圧注入合板。その合板   の両隣が接着剤混入合板。)