ブックタイトルしろありNo.159

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概要

しろありNo.159

16研究発表会Presentations at the Research Meeting1.はじめに 平成24年6月, 宮崎県の白蟻防除業者より, 炭を含有したホウ酸製剤で処理された木造住宅床下に, イエシロアリ蟻道が異常な程構築されている, この炭を含有したホウ酸製剤について教えてほしいとの連絡があった。ホウ酸は食毒で接触毒性が少ないため蟻道構築を防止する力が弱いことを説明した。ホウ酸については, 過去, 慶応大学の森八郎教授, 宮崎病害虫防除コンサルタントの児玉勝氏が白蟻用薬剤製品化を目指し実験を行ったが, イエシロアリ用として十分な効力が得られず断念した経過がある。昨今, ホウ酸が無機質であり, 長期安定で揮散性が少ないことから, 防蟻防腐用として数種のホウ酸製剤が販売されている。そのうちの一種, 炭を含有したホウ酸製剤で処理された住宅に, 無数の蟻道が構築された状況を確認するため,住宅の持ち主の協力を戴き, 被害調査を行った。住宅の床下, 土間コンクリートと布基礎の隙間に36本もの蟻道が構築されていた。余りにも蟻道が多すぎるため,イエシロアリ飼育営巣に, 炭を含有したホウ酸製剤で処理したセメントレンガを設置し, 蟻道の構築を観察した。炭を含有したホウ酸製剤について, 宮崎県で発生した処理家屋の白蟻被害と, イエシロアリ営巣を用いた蟻道構築試験について報告する。炭を含有したホウ酸製剤処理部の蟻道構築について 廣瀬産業株式会社 廣瀬 博宣2.被害家屋調査報告 宮崎県で発生した, 炭を含有したホウ酸製剤で処理された木造家屋のイエシロアリ被害を報告する。1) 調査員 廣瀬博宣 廣瀬産業株式会社2) 調査日 平成24年6月15日, 8月6日3) 調査場所 宮崎県宮崎市4) 調査家屋 木造平屋, 昭和62年新築, 建築面積45坪 布基礎, 土間コンクリート5) 白蟻予防工事 施工業者   下請業者名不明 (白蟻防除業以外の業種) 施工日    平成22年5月        (平成24年6月被害確認) 使用薬剤   炭を含有したホウ酸製剤 施工箇所   床下布基礎, 土台6) 被害状況 被害確認  平成24年6月 被害種別  イエシロアリの被害 被害場所  和室の畳, 床板, 脱衣所の壁           玄関框, 小屋組写真1 調査家屋外観 写真2 和室畳白蟻被害