ブックタイトルしろありNo.159

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概要

しろありNo.159

TERMITE JOURNAL 2013.1 No.159 19では, 処理境界部の処理側に大きな蟻道が構築されていた。 無処理部蟻道   6箇所 処理部蟻道    30箇所10) 被害調査のまとめ 炭を含有したホウ酸製剤で予防処理された住宅の床下には, イエシロアリの蟻道が36箇所構築されていた。通常のイエシロアリ被害家屋に較べ, 蟻道の数が異常に多かった。しかも, 蟻道は, 布基礎のホウ酸製剤処理部に多く構築されていた。シロアリを予防するために薬剤処理した部分に, 蟻道が集中構築されている状態は異常であり, 炭を含有したホウ酸製剤処理部は,シロアリに対し何らかの誘引性があるのではと疑われる。3.炭含有ホウ酸製剤処理部の蟻道構築試験 被害家屋の調査で感じた疑問, 炭を含有したホウ酸製剤処理部のシロアリ誘引性について, 平成24年10月確認試験を行った。廣瀬産業㈱の飼育室で, イエシロアリ営巣に, 炭を含有したホウ酸製剤で処理したセメントレンガを設置し, 蟻道の構築状況を確認した。試験の詳細を報告する。1) 試験実施者   廣瀬博宣  廣瀬産業株式会社2) 試験実施日   平成24年10月7日から10月15日3) 試験場所   廣瀬産業株式会社 シロアリ飼育室4) 使用薬剤 次の3薬剤について比較試験を行った。  ①炭を含有したホウ酸製剤A  ②ホウ酸製剤B(木材保存協会認定薬剤)  ③白蟻薬剤C(白対協認定薬剤 土壌処理剤)5) 使用したイエシロアリ営巣 飼育を始めて3年が経過した, 営巣7年程度と推定されるイエシロアリ営巣を用い, 蟻道構築試験を行った。6) 試験方法 薬剤を入れた容器にセメントレンガを数分浸け, 取り出し, 乾燥させた。イエシロアリ営巣の横に試験場所としてセメント板を設けた。セメント板上に, 薬剤処理したセメントレンガを置き, レンガの上には餌木を設置し, 蟻道の構築状況を観察した。 セメントレンガ寸法:6×10×21cm7) 薬剤処理 炭を含有したホウ酸製剤A, ホウ酸製剤B, 白蟻薬剤Cをそれぞれの用法容量に従い, 使用濃度に調合し,プラスチック容器に入れ, 薬液槽とした。セメントレンガを数分間薬液に浸漬した。取り出したセメントレンガは, 2本の算木上に置き, 液垂れを行い, 扇風機で乾燥させた。写真15 炭を含有したホウ酸製剤A侵漬処理写真16 ホウ酸製剤B侵漬処理写真17 薬剤の乾燥状況