ブックタイトルしろありNo.160

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概要

しろありNo.160

26 T e r m i t e J o u r n a l 2 0 1 3 . 7 N o . 1 6 03)東側外周壁 この外周壁では, 劣化は柱の基部だけに留まらず,1階と2階の境界にある積層梁にまで及んでいた。これらのレジストグラフ診断結果を図4に示した。図面右側の番号のうち, 積層梁等の注釈のないものは, 柱脚部を指している。①通し柱の基部:通し柱については, E4の内部に幅2㎝ , E7の内部に幅3㎝の劣化部が存在した。劣化位置はコンクリート上に敷設された土台と突き当っている場所であった(写真4を参照)。すなわち, 柱と土台との境界部に雨水が侵入して滞留し, このような局所的劣化を起こしたと推定された。ただし, 通し柱の奥行き(厚さ)は60㎝あること, さらには柱幅の中央部でレジストグラフ診断を行うと劣化の兆候が認められなかったことから, 柱の基部の劣化レベルは「小」と判断された。 ②管柱の基部:管柱については, E5において幅2.5㎝ ,E8 において幅3㎝ , E1において幅2㎝の劣化部が検出された。それ以外の柱は表層部に1㎝未満の劣化部が存在しただけであった。これらの管柱は奥行き(厚さ)が30㎝あるので, 断面欠損率は最大でも10%未満と見積もられた。したがって, 東側の管柱の劣化レベ図2 西側外周壁の診断結果(□枠が劣化部)図4?1 東側外周壁の診断結果(□枠が劣化部)図3 南側外周壁の診断結果