ブックタイトルしろありNo.161

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概要

しろありNo.161

Termi te Journal 2014.1 No.161 3苗床としても用いられる。これらは塚の土の肥沃であることを利用した農業利用である。塚そのものの性状を利用としたものとしては, 炭焼き窯への転用がある。頂上から内部をくりぬき, 円筒状に整形して窯の壁とし, 中に原料木を入れて土で蓋をして製炭を行うのである(図7, 8)。 塚ばかりでなく, シロアリ自体も利用される。塚の一部を掘り採ってきてたたきつぶして中のシロアリを取りだし, 養魚池のナマズの餌にする。この他ニワトリやアヒルの餌にもする。雨季になり, 一雨来るとあちこちの塚から羽化個体が家の電灯に飛来するので,これを水を張ったたらいで受け, 食用油で炒めたり揚げたり, 串に刺して炙ったりしてスナックとする。 同様, 雨季に塚から生えるシロアリタケも美味な食材として人気があり, 時期になると村人は盛んに森で採集活動を行う。これは市場でも高価に取引されるの図3  樹木が密生し, 水田内の島々のように見える巨大なシロ アリ塚群(タイ)図4 シロアリ塚が多数見られる水田(ラオス)図5 シロアリ塚の周りのイネの旺盛な生育(ラオス) 図6 シロアリ塚を用いたハトムギ栽培(ラオス)図7 塚をくりぬいて炭焼き窯に整形中(ラオス) 図8 できあがった炭焼き窯。右端は煙突(ラオス)