ブックタイトルしろありNo.162

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概要

しろありNo.162

Termi te Journal 2014.7 No.162 19写 真説 明無処理木片4本を設置した。写真の右側にイエシロアリの巣があり, シロアリは4本の木片を通過して餌場(写真の左端に積み上げた木材)へ移動できる。設置24時間後にはすべての無処理木片に蟻道が構築された。上から2と4番目の木片に構築された蟻道は途中で途切れているように見えるが, 以下の写真に示す通り, その裏側に蟻道を構築していた。上から2番目の木片では,その裏側に蟻道が構築されていた。上から4番目の木片でもその裏側に蟻道が構築されていた。表9 無処理木片の蟻道構築状況写真11 湿式法による防カビ試験に供した処理試験体写真12 湿式法による防カビ試験に供した無処理試験体3.2 蟻道構築防止効果 蟻道構築防止効果とは薬剤処理した木材表面で蟻道構築が防止される効果のことであり, この効果が認められると, シロアリが家屋内に侵入するのを防止する効果が期待される。この効果を評価するため, 室内で飼育しているイエシロアリの巣を用いた試験を実施したので, その概要を以下に示す。① 試験薬剤:ガントナーR20EC, A剤(天然系マイクロカプセル製剤) およびB剤(ピレスロイド系化合物含有乳剤)とし, 希釈倍率は各薬剤の使用方法に準じた。② 試験方法:高活性なイエシロアリの巣の近くに餌場を作り, その餌場と巣をつなぐ通路として40cm長の4本の無処理木片を配置した。配置してから24時間後にこれら4本全てに蟻道が構築されたのを確認した(表9)。次に, これらの蟻道が構築された木片4本を取り除き, 替わりに薬剤処理木片(薬剤処理部分は両端から5cmを除く30cmの部分とした)と無処理木片に置き換えた。10時間後に薬剤処理木片および無処理木片に構築された蟻道の長さを測定した。③ 試験結果:表10に示す。本剤では, 蟻道の長さは5cmほど構築されたが, それ以降蟻道は伸長されなかった。A剤では3?6cm , B剤ではまったく蟻道を構築しなった。このことから, いずれの薬剤処理木片においても優れた蟻道構築防止効果が認められた。