ブックタイトルしろありNo.162

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概要

しろありNo.162

Termi te Journal 2014.7 No.162 3(5)唐門 唐門自体からは, 蟻害・腐朽を確認できなかったが,唐門と拝殿をつなぐ屋根の柱は, 直接石タイルの上に置かれており, 含水率は11.3%だった(写真5)。腐朽は確認できないが, 柱に直接雨水があたるため, 対策をとる必要がある。(6)東門 東門全体からは, 蟻害・腐朽を確認できなかった。しかし, 付近に位置する「家康公御手植えみかんの碑(木製)」は, 直接土に埋めて建ててあるため, 古いヤマトシロアリの被害跡が確認できた。東門への被害を予防するためにも, 何らかの対策が必要である。 また, 東門の漆塗にクラックが確認できる(写真6)。クラックからの雨水の入り込みや内部の木材状態は確認できないが, 腐朽の原因にもなるため, 対策が必要である。(7)玉垣 漆塗が施されていない部分からは, シバンムシによる古い脱出口が確認できた。 木の柵が地面に直接置かれており, 腐朽は確認できないが, 対策が必要である。 玉垣の雨樋上部には落ち葉が詰まり, 雨水の流れも悪く, 直接地面に流れている(写真7)。また, 北側の石垣からの雨水の流れや湿気が晴れの日でも確認でき, ヤマトシロアリの食害や腐朽の原因となるため,雨水対策が必要である。(8)廟門 漆塗により目視で確認できないため, 漆喰の隙間で打診検査をした結果, 柔らかい感覚があり, 木材表面に腐朽が確認できた。隙間に雨水が入らない対策が必要である(写真8)。写真4 日枝神社における柱の亀裂写真5 唐門と拝殿をつなぐ屋根の柱(含水率11.3%)写真6 東門の漆塗にクラック写真7 玉垣の雨樋に詰まっている落ち葉