ブックタイトルagreeable 第13号(平成22年1月号)

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概要

agreeable 第13号(平成22年1月号)

9 Agreeable 2010/1会員のページ岐阜県しろあり対策協会(中部支部岐阜県支所)の秋の研修会が9月30日に開催されました。本年は2回の研修会が開催され、1回目の研修会は3月10日に、岐阜県森林アカデミーより辻 充孝先生・三澤文子先生を講師に迎え、「温熱環境と結露」及び「木造建築病理学の必要性」のテーマで講演していただき、我々の仕事がら切っても切れない結露の仕組み及び対策方法などを検証していただくと同時に、昨今のリフォーム時における木造建築の再利用と耐震構造を付加させた建築病理学について学ぶ機会となり、リフォーム時に改めて蟻害対策を講じる必要性を再確認する事となりました。春の研修会が理論的な机上講習会に比べ、秋の研修会より技術的な講習会と位置付け、今回は㈱東海白蟻研究所の星野伊三雄氏とシンジェンタジャパン㈱の奥村敏夫氏を講師に招き、「アメリカカンザイシロアリへの対応」と「住環境における不快害虫の生態と防除」と題して、現場経験豊かなお二人から現場(施工スタッフ)目線の講義を受ける事となりました。今回はこの講習会をかいつまんでご紹介します。星野氏はアメリカカンザイシロアリの食害の特性と、ヤマト及びイエシロアリに比べ極めて小単位でのコロニーで生活がなされ、発見されるまでにはかなりの時間が経過している場合もある事を説明されながら、施主様にその特性を十分に理解していただいた上で、長い付き合いを覚悟で根気良く駆除をして行く事を講演して下さいました。自らが使用している機材を実際に用いて、準備されたアメリカカンザイシロアリの生息状況を非破壊検査機(ターマトラック)で解説していただきました。また、現場第一の星野氏ならではのオリジナル検査機固定方法などを、惜しみ無く披露していただく事もでき大変参考になりました。星野氏の総括としては、シロアリ業務は防徐工事という様な曖昧な表現にしないで、駆除工事と予防工事をしっかり分けて考え、最小限の薬剤と施工方法で駆除を行い、予防は被害の受けやすいポイントを熟知したプロ集団が薬剤や工法を用いて、しっかり管理すべきとのアドバイスをいただきました。続いて、シンジェンタジャパン㈱の奥村氏は、現場で活かせる害虫の四方山話として、身近に生息する害虫を例に挙げながら、知っている様で知らない色々な話をして下さいました。ムカデの夫婦ツガイはホント・ウソ? スズメバチの最も攻撃する色と見向きもしない色、等クイズ形式の講演は午後の眠い時間でありながら、アッと言う間に持ち時間の1時間30分が経過してしまいました。最後に、ヒメマルカツオブシムシの話では、綿・麻・絹・羊毛・毛皮など100 %純毛製品を特に好んで食害するために、クリーニングから帰ってきた衣類を再び〝虫干し?などとして屋外に干さない事が大切。春先は特に産卵される危険が増すとの事でした。セレブな高級品につく虫として名高いので、セレブな方こそタンスにゴンが必要だとか。化繊・レーヨン・アクリル繊維には虫が付かないそうです。必要のない場所に入っているケースが多いとか? という事で締めくくられました。秋の研修会開催される今瀬芳尚岐阜県支所 支所長36名定員の会場は満員となりアメリカカンザイシロアリへの対応に関心の高さを物語っていました。基礎断熱構造に於ける蟻害被害の話にもおよび発砲型の防蟻薬剤を用いての実演風景、ここにも星野氏オリジナルの注入機が使われていました。非破壊検査の実演で、現場を想定しながらタイルやモルタルで障壁を作り画面の動きをチェックしながら検査法を解説して頂きました。星野氏オリジナルのターマトラックの固定器機器に微妙な揺れが有ると表示画面にも影響が有るとの事。