ブックタイトルagreeable 第13号(平成22年1月号)

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概要

agreeable 第13号(平成22年1月号)

Agreeable 2010/1 10会員のページ平成21年11月20日(金)三重県津市アスト津において、三重県支所主催の研修会が開催されました。三重県支所では毎年この時期に「秋の研修会」と題して、その年にクローズアップされた話題や問題をなるべく取り入れた内容で研修会を行っています。時代の流れと共に変化する建築構造やお客様からの要望など対応を誤ればクレームにつながる要因が増える中、一昨年には研修会参加者を交えて各社のクレーム事例と対処法についてディスカッションを行い、昨年はシロアリをはじめ近年家屋への侵入が問題となっている、各種害虫の生態や効率的な防除方法について研修会を行いました。今年度は、当協会の乾材シロアリ対策特別委員会の副委員長でもある、星野伊三雄氏(㈱東海白蟻研究所)による「アメリカカンザイシロアリ・基礎外断熱における被害の現状と対策」について、奥村敏夫氏(シンジェンタジャパン㈱)による「家屋害虫対策と説得力を高める演出技術」をテーマに講演をしていただきました。最初に、星野伊三雄氏より日本各地で現在確認されている乾材シロアリの被害状況や、近年住宅の高気密高断熱化の普及に伴って増えている基礎外断熱工法におけるシロアリ被害の状況などスライドを使って解説していただきました。アメリカカンザイシロアリに関しては過去に三重県内においても四日市市と鵜殿村での被害が報告されていますが、ここ最近の被害事例としての報告はありません。ただ、以前からの他県の被害報告や、今年TVで放送された事もあり世間の関心がさらに高まっています。最近ではこの中部地区においても岐阜県内で被害が報告されるなど、いつ三重県内で被害が出てもおかしくない状況に研修会参加者全員が真剣に話を聞いていました。基礎外断熱工法に関しても実際に三重県内において被害の事例があり、断熱材内部の特殊な蟻道やその加害速度が速いという事や、実際に調査から駆除工事に至るまで目視による確認がほとんどできない物件も多いので、乾材シロアリにも有効な非破壊調査機を併用する事も必要という説明がありました。今回は星野氏より基礎外断熱の被害材を持参していただきフォーム剤を注入して薬が断熱材の蟻道にまわる様子を見せていただき、アメリカカンザイシロアリの糞や被害材を欲しい方に提供していただくなど、今後こういった事例に遭遇した時の判断や対応するために非常に参考になるものでした。最後に星野氏より、「まずは自分でシロアリを飼育してその動きをよく観察し生態を理解した処理方法を考える事」と「こういった珍しい事例でも安心して受注、施工が出来る会員相互の情報交換や協力体制づくりが必要である」との話をいただきました。つづいて奥村敏夫氏より「家屋害虫対策と説得力を高める演出技術」について講演いただきました。はじめに、昆虫学の基礎知識からさりげなくお客様とコミュニケーションを取るテクニック、建物の種類や時季で相談が多い虫の種類、間違えやすい虫の見分け方、効率的に駆除するためのテクニックや調査道具とその正しい使い方と演出技術など詳しく説明していただきました。奥村氏には昨年の三重県支所研修会においても講師を依頼し、会員から「非常に具体的で分かりやすかった」と大変好評をいただき今年度もお願いした次第です。シロアリ以外の家屋害虫についてお客様からの問い合わせや対策を行う機会としては時季によってはかなり多い場合もあります。そういった機会こそお客様に対するプロとしての存在感をアピールしてお客様との信頼関係を深めるチャンスとして生かせればと思います。今後は実際の現場を使っての研修会などを行い技術者間の交流を深め会員相互の協力体制を構築できればと思います。三重県支所研修会報告波田辰仁三重県支所奥村敏夫氏星野伊三雄氏