ブックタイトルagreeable 第13号(平成22年1月号)

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概要

agreeable 第13号(平成22年1月号)

Agreeable 2010/1 6会員のページ最近になって乾材シロアリ被害の発見が加速されてきた感があります。これは乾材シロアリに関する情報が業界の内外を問わず頻繁に流れてきたせいだと思います。ここ数年来専門誌はもとより、テレビをはじめ新聞、週刊誌などかなりの頻度で取り上げられてきました。20年前であれば仮に乾材シロアリ被害があったとしても、専門家でも見逃していたケースが多かったと思います。実際に当社の経験でも、キクイムシを疑われたお客様が害虫駆除業者に見てもらったところ『これはキクイムシの被害ではありません。しばらく様子を見てください』と言われ何年か放置されていた、と言う事例がありました。また床下の側根太に乾材シロアリの被害が見つかったお宅では、3年前にヤマトシロアリの防除工事が行われていました。さて、今回は乾材シロアリ被害材の処分についての話です。これは非常に重要なことです。乾材シロアリの特徴として①乾燥に強い②コロニーが小さい③わずかな擬職蟻からコロニーが再生することがあげられます。この特徴により乾材シロアリは被害材の移動に伴って拡がっていってしまうのです。引越しの際の家具の移動は典型的な例です。一つ注意して欲しいのは、乾燥に強いことで逆に湿気や水に弱いと勘違いされがちなことです。被害家屋の周辺では外壁に立てかけられていた雨ざらしの材木に被害が見つかったり、垣根の杭に見つかったりします。(写真1、2)当社では観察のために社内で(厳重な管理の下)飼育していますが、被害材に直接水を与えるとたちまち水を飲みに集まってきます。逆にタッパーなどに入れて長期間放置しておくと干からびて死んでしまうこともあります。乾材シロアリの被害を受けてしまったお客様で、食われてしまった家具を処分する方も多いと思います。その場合普通に粗大ゴミなどで捨てられては大変です。最近の事例で、アンティークショップで購入した外国の家具に被害が見つかりました。そこで当社ではお客様が処分を希望される場合はターマトラックで生息の有無を確認し、もし反応があった場合は①当社でそのまま引き取る②現場でばらして確実に駆除したうえで、お客様に処分してもらうのどちらかをお願いしています。もっと規模の大きな話として、被害家屋の建て替えがあります。当然解体されるのですが、その廃材の流通が心配です。通常は解体された家屋は現場で木材、金属、プラスチックなどに大雑把に分別されます。そして収集運搬業者(多くは解体業者)により中間処理施設に運ばれます。バブル期などの建築ラッシュの時代には中間処分場に廃材が山のように積まれて長期間放置されていたものです。廃材の山から近隣に拡がって乾材シロアリ被害材の処分について南山和也関東白蟻防除株式会社写真2 杭の食害の拡大 写真1 杭の食害写真3 解体中の現場