ブックタイトルagreeable 第21号(平成24年1月号)

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概要

agreeable 第21号(平成24年1月号)

講 演地球温暖化について・地震津波被害にそなえて宮古島地方気象台長小林 俊彦 氏▼IPCC第4次評価報告書と日本の気候変動とその影響というレポートを紹介しながらお話する。これによると温暖化は疑う余地がなく気温の上昇、海水面の上昇、雪氷の融解などからわかる。地球は温室効果、太陽放射、温室効果ガス再放射で平均14度に保たれているが、温室効果ガスが増えることで温暖化というメカニズムになる。1750年、産業革命の頃を境に急激に二酸化炭素が上昇し温暖化が進んだ。世界の平均気温は今後1.1?6.4度上昇が見込まれる。温暖化により、海洋の高さは18?59㎝増える。今世紀末には北極の海氷が消滅すると言われる。▼日本では、2006年?2010年で平均気温は1.15度上昇し世界の平均を上回っている。首都圏の気温はヒートアイランド現象により日本の平均より高い。日本の基本的な温度の上昇は今後100年間で2.1?4.0度とみられ、世界の平均を上回っている。100年後の日本平均温度の予測は高緯度ほど、また夏より冬の方が上昇率が高いと予測される。▼温暖化影響総合予測プロジェクトチームの2009報告では温暖化が進んだ場合の水災害・沿岸、水環境、食糧、健康などの分野での影響を報告している。各分野で影響が出ており、今後我々はこれらに対応するため、温室効果ガスの排出を抑制する緩和策と温暖化の悪循環をなくすための適応策(食料の品種改良、洪水対策、熱中症対策など)を合わせ対処していかなければならない。▼3月11日の地震はM9、最大震度7、広い地域でM7の余震が発生した。地下の岩盤がずれた領域、断層のすべり分布など長さ450㎞、幅150㎞に及んだ。津波は相馬9.3m 以上、宮古8.5m 以上あり、津波による死亡が大多数だった。津波について知ってほしい。津波は早い、津波が見えてから逃げても遅い、地形によって津波の遡上高は大きく変わる、津波が小さくても油断してはならない、津波から身を守るには早期避難、車を使わず遠くへ高いところへ行くこと。緊急地震速報は初期微動により最大震度4以上が予想されるところに流す。これらを参考にして津波・地震に備えて欲しい。環境教育とシロアリ─ 中学校理科での取り組みを通して ─那覇市立安岡中学校教諭安田 いち子 氏▼中学校3学年の理科の単元「自然と人間」の効果的な学習方法としてシロアリを選んだ。理由は、沖縄県ではシロアリは入手しやすく飼育も簡単なこと、シロアリは不思議な行動やめずらしい習性をもち生徒の興味関心を引き教育材料として有用であると考えたからである。さらにしろありを教材として選んだ最大の理由は自分がシロアリを大好きだからである。▼授業は4時間の計画で進め、名前が不思議、形が不思議、巣が不思議、役割分担が不思議、行動が不思議、お腹の中が不思議、自然界の役割がすごいというような流れで進めた。自作のワークシート.自作のビデオ教材、シロアリとアリの形態比較に用いる図表、シロアリ標本、巣標本などを準備した。▼第1時ではシロアリについて生徒に質問、その後自作ビデオ教材の視聴、第2時ではシロアリとアリの比較を行い両者の違いをあきらかにし、標本や写真で形態の比較観察を行う。また、シロアリの種類によって好みの住みかがあることを第54回全国大会講演・研究発表会平成23年11月11日、沖縄県宮古島市で開催された第54回全国大会における講演及び同時に開催された研究発表会の内容の概略を紹介します。agreeable vol.21 january 2012/1 16