ブックタイトルagreeable 第21号(平成24年1月号)

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概要

agreeable 第21号(平成24年1月号)

た当初は公園全体で両方の生息を確認していたがこの頃ではまれであり、管理型防徐処理を併用した効果が表れてきたようだ。首里城公園の整備計画はあと数年で完結するが県は旧中城御殿の復元を予定している。この建物も正殿に次ぐ大規模建築物となる。▼首里地区は湿気が強いところなので首里城内建築物を建築して数年もたたずに藻・カビ腐朽菌が発生する傾向にある。平成18年に正殿の漆の塗り替え工事が始まり昨年全体の塗り替えが完了したが現在、管理財団と協議し防蟻剤に防藻剤と防カビ剤を含めた暴露試験、漆に防カビ剤を含めて防カビの暴露試験を行っている。伝統的建築に最新の白蟻防除技術をどう生かせるか、防蟻・防藻・防カビなどいくつもの難題がある。薬草からの白蟻防除薬剤の開発ハウスターマイト下地 博万 氏▼環境や人体への影響の少ない防蟻剤の開発を目的として沖縄県の薬草を用いてイエシロアリに対する阻害活性を検討した。センダン、モロコシソウ、ヨモギ、トウガラシ、リュウキュウアイ、イジュの6種類をメタノールで抽出し抽出液をろ過しロ液をエバポレーターで溶媒を除去してメタノール抽出部を得た。同様に各試料を熱水で抽出した。それぞれの抽出物を所定の濃度に希釈し、ろ紙による生物試験を行った。試験には26℃のインキュペーターで飼育した健全なイエシロアリを用いた。▼ろ紙による生物試験では所定濃度にメタノールで希釈した各試料をろ紙に含浸させ一晩溶媒を飛散させた後シャーレーに入れ、蒸留水を加えた後、イエシロアリを投入し毎日死虫数を計測した。抽出物を塗布した木片での試験では木片にセンダンとモロコシソウの混合抽出液を塗布した木片と無処理の木片を容器に入れイエシロアリを投入し無処理及び塗布した木片へのイエシロアリの食害状態を観察した。▼ろ紙による試験結果で、センダンは1倍量、5倍量、10倍量と全滅し、最も少ない1倍量でも11日間で全滅し、添加量の増加とともに全滅する日数が少なくなった。モロコシソウもセンダンと同様に濃度に依存して活性は増加し1倍量、5倍量で10日、9日でシロアリが全滅するが、10倍量では4日間でシロアリが全滅した。イジュの樹皮1倍量は14日間でも全滅しないが5倍量では6日で全滅した。ヨモギは1倍量、5倍量、とも5、6日で全滅した。トウガラシ抽出物は活性がみられたが使用時に刺激臭があったため、検討しなかった。センダンの抽出物とモロコシソウを混合することにより活性が増加することが期待されたので混合して実験を行った。リュウキュウアイは各濃度で活性がみられなかった。▼結果としては、センダン、モロコシソウ、ヨモギ、イジュ、トウガラシのメタノール抽出物に阻害活性がみられた。また、センダンとモロコシソウのメタノール抽出物を混合すると活性が増加し1日でシロアリが全滅した。かごしま住まいと建築展での広報活動紹介鹿児島県支所青壮年部西村 隣太郎 氏▼10月28日から3日間、鹿児島県建築課主催「かごしま住まいと建築展」に出展を行った。この出展は1回目平成13年鹿児島支所として行い、2回目から鹿児島県しろあり事業協同組合と共催で行っている。▼展示説明は鹿児島県支所会員及び青壮年部会員が担当した。ブースには鹿児島県支所概要、会員名簿、シロアリの写真、被害写真、ビデオ用テレビ、飼育イエシロアリ営巣などを展示した。飼育イエシロアリ営巣の展示はシロアリが木材を加害する状況をガラス越しに見えるようにした。これは来場者が一番興味を示した。一般だけでなく建築関係者や出展関係者もシロアリの動きを見つめる状況が毎年繰り返され広報効果が高い。シロアリを知る絶好の展示となっている。平成22年はシロアリに関するアンケートも実施し記入者に箱ティッシュを贈呈したところ好評で280枚回収された。▼アンケートの結果としては、鹿児島県支所を知っている人は42%と高く住宅展の出展など広報活動の成果が出ている。シロアリを見たことがある人は51%で鹿児島はシロアリが多い地域であることが確認できた。このうち羽アリを見たことがある人は90%、働きアリを見たことがある人は38%であった。シロアリの被害にあったことがある人は19%で被害の多い地域であることがわかる。建物の被害にあった時期の回答から平均で昭和50年に建てられた家が築24年後にシロアリ被害が発生したと判断できる。▼「かごしま住まいと建築展」出展は今年で11回となるが展示を工夫することでブースを訪れる来場者も多く好評を博している。これからも広報活動として続けていく予定である。agreeable vol.21 january 2012/1 18