ブックタイトルagreeable 第21号(平成24年1月号)

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概要

agreeable 第21号(平成24年1月号)

 樹木は、光合成した糖類やでんぷんなどの栄養や、根から吸い上げた水や養分を使って、樹皮と木部の間にある形成層とよばれる細胞が、外側へは樹皮の細胞を作り、内側へは木部の細胞を作っていくことにより成長していきます(図1)。1.針葉樹と広葉樹 樹木(木材)は針葉樹と広葉樹とに大別されます。 針葉樹は英語でsoftwood(軟らかい木)と呼ばれ、材としての曲がりが少なく、軽量で加工が容易なため、建築では構造材として広く使われています。代表的な樹種には日本産ではスギ、ヒノキ、ヒバ、カラマツ、アカマツなど、外国産ではベイツガ、ベイマツ、スプルースなどがあります。 広葉樹は英語でhardwood(硬い木)と呼ばれ、一般に密度の大きい重厚な材が多く、造作材や建具、家具に用いられることが多いです。代表的な樹種に日本産ではクリ、ケヤキ、ミズナラ、ブナなど、外国産ではチーク、ラワンなどがあります。2.早材と晩材および年輪 木材の横断面を見ると、中心部に髄があり、その周りにいくつもの‘輪’が見られます。木の生長が盛んな春?夏にかけてできた細胞は、細胞自体は大きいですが、壁が薄くなります。この部分を「早材」といいます。反対に夏?秋にかけてできた細胞は、細胞自体が小さく、壁が厚くなります。この部分を「晩材」といいます。 早材は色が淡く、晩材は色が濃く見え、互いに交互にできると、肉眼的に‘輪’に見えるわけです。この1個1個の‘輪’を生長輪といいます。日本のように1年の四季がはっきりしている場合、生長輪が1年に1個できるので「年輪」と呼びます(図2)。(次号へ)森林総合研究所 大村 和香子木材の知識木材の組織 ?前編?第一回引用文献 ・ しろあり及び腐朽防除施工の基礎知識(防除施工士受験用テキスト)(2011)(社)日本しろあり対策協会      ・木材活用事典(1994)産業調査会参考文献 1)木材活用事典(1994)産業調査会     2)木材の構造(1985)文永堂図2 木材(針葉樹)の断面外観2) 図1 樹木の構造1)agreeable vol.21 january 2012/1 4