ブックタイトルagreeable 第22号(平成24年4月号)

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概要

agreeable 第22号(平成24年4月号)

 皆様、こんにちは。数回にわたって防除薬剤についての解説を書いています。前回は「化学物質とは?」ということで、簡単な解説をさせて頂きました。前回記事はご記憶ですか?世の中って化学物質で満ち満ちているんですね! さて、今回は前回お約束をしました、「化学物質の安全性って??」という副題でお送りします。安全ってなに? まず、化学物質の安全を語る前に、ちょっと前講釈です。 「安全」という言葉です。聞きなれているし、当たり前のこととして日常の中で使われていますね。でも、安全の尺度ってどういうものでしょうか?日常の中で考えてみましょう。安全という言葉を使うとき、しばしば以下のような言葉を使いますね。● 身の安全(車、飛行機、電車、犯罪など)● 食の安全(食品に使用される様々な化学物質…添加物、農薬、パッケージなど)● 安心な住環境(安全という言葉ではなく、安心という言葉ですが、昨年の地震以来、懸念の一つである放射能暴露とか、空気汚染とかでしょうか) 他にもいろいろありますが、代表的なものを並べてみました。 さて、まずは、「身の安全」から。 皆さんは、車にも乗るし、飛行機にも乗ります。また都市部にお住いの方々は電車を利用する頻度はかなり高いのではないでしょうか。それらの乗り物は安全ですか??簡単なようで難しい質問です。例えばとある調査によりますと…、909人と1万805人という数字があります。なんだと思いますか?前者はある年の全世界での航空事故による死亡者数。後者は日本国内だけの自動車事故による死亡者数(事故後1カ月以内の死亡)です。飛行機が圧倒的に安全!と思いますね。でも待ってください。では909人の方にとって飛行機は安全だったのでしょうか?そうではないですね。比較したら、飛行機の方が少ないということだけです。でも飛行機と車とどちらが頻度高く乗るでしょう?また、利便性はどうですか?総移動距離で割り算をしたら?とまぁ、安全性というのは一概に言えるものではありません。 次は「食の安全」。 これは声高に叫ばれる言葉です。毎日、口にする食物。もちろん安全であるべきなのはいうまでもありません。例えば欧米型の食生活。戦後、肉類や卵、バターなどの乳製品が増え、動物性脂肪をたくさんとるようになった日本人。もちろん、戦中の栄養状態から見れば大きな改善です。平均身長も飛躍的に伸びたり、よいことばかりです。でも一方、結果として肥満な人が増え、これが原因で、がんや糖尿病、高血圧、高脂血症などの生活習慣病の増加へとつながりました。米国では3人に一人が肥満。子供が糖尿病になることも…。さて、これらの食生活は安全ですか?ここでもまた、比較です。今回は数字ではありませんが、食べないで我慢し、飢餓することと、良い栄養状態だけど、将来、重篤な病気になる可能性が大きい。日本ならば、まだ食生活を選択する余裕があります。現代の豊かな日本に生まれてよかったですね。でも飢餓状態の国ではどうでしょう?今日の食べ物にも事欠く状態で将来の病気を心配するでしょうか? 最後に「安心な住環境」。 昨年の痛ましい震災から1年有余。まだまだ被災地の方々の苦労は絶えま?防除薬剤化学物質の② 安全性って??バイエルクロップサイエンス(株)  大嶽 譲治agreeable No.22 april 2012/4 10