ブックタイトルagreeable 第22号(平成24年4月号)

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概要

agreeable 第22号(平成24年4月号)

 今回は木材の横断面全体を見てみましょう。1.心材と辺材 通常、木材は樹皮に近い外側の部分が全体的に色が薄く、内側は濃色をしています。色の薄い外側の部分を「辺材」、色の濃い内側の部分を「心材」と呼びます(図1)。樹木における辺材の役割は水分の通導と養分の貯蔵であり、心材は樹体支持です。したがって木材として利用される場合にも辺材は水を吸いやすく腐りやすいという性質を示します。一方心材は、樹種によって固有の樹脂やテルペン類、タンニン類を多く含み、水が浸透しにくく耐久性に富んでいるのが特徴です。 「住宅の品質確保の促進等に関する法律(品確法)」の「劣化の軽減」の項目には、劣化対策等級の等級3の場合、土台に関してはK3相当以上の防腐・防蟻処理(中略)が施されていること と並列に、構造用製材規格等に規定する耐朽性区分D1の樹種のうち、ヒノキ、ヒバ、ベイヒ、ベイスギ、ケヤキ、クリ、ベイヒバ、タイワンヒノキその他これらと同等の耐久性を有するものに区分される製材又はこれらによる構成される集成材等が用いられている土台にあっては、防腐処理又は防蟻処理が施されていることを要しない と記述されています。 様々な樹種の耐久性の評価は「心材」だけで比較されています。したがって防腐処理又は防蟻処理を行わずにこれらの樹種を使用する場合は、辺材は水を吸いやすく腐りやすいということを念頭において使用してください。2.木材の方向と材面 木材には繊維方向、接線方向、放射方向の3つの方向があり、この方向で性質が異なります。 繊維方向に直角に切断した面、つまり‘横断面’を「木口(こぐち)面」、年輪に対して接線上で繊維方向に切断した面を「板目面」、年輪に対して直角に縦断した面を「まさ目面」と呼びます(図2)。 「木口面」は表面の細胞が切断されて内側の孔が開いた状態になっている上に、水などの液体が繊維方向に浸透しやすいため、「木口面」は「板目面」や「まさ目面」のような‘側面’と比較して水や薬液の浸透性が非常に高いのが特徴です。森林総合研究所 大村 和香子木材の知識木材の組織 ?後編?第二回図2 木材の方向と材面2)引用・参考文献1) 中野達夫著(1989)木は万能選手、農林水産省農林水産技術会議事務局監修2) しろあり及び腐朽防除施工の基礎知識(防除施工士受験用テキスト)(2011)(社)日本しろあり対策協会図1 辺材と心材1)agreeable No.22 april 2012/4 4