ブックタイトルagreeable 第23号(平成24年7月号)

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概要

agreeable 第23号(平成24年7月号)

 ここまででシロアリ防除の重要性と場面に応じた対策の大まかな意味はご理解いただけたと思います。ではご理解いただいた「駆除」と「予防」場面において、薬剤を使用するという点に関して考えてみましょう。シロアリ防除するには、薬剤を使います シロアリは小さな昆虫です。でも言葉は通じませんね。 「ねぇ、ヤマトシロアリ、イエシロアリ君たち、頼むからここから出て行ってくれないか??」 なんて話しかけても一向に聞く耳は持たないでしょう。シロアリ防除の場面の項で使った駆除という言葉にあるとおり、大変申し訳ないですが殺虫剤を使用して、別の世界へ旅立っていただくことになります。予防場面に関しても同様で、シロアリが建物に侵入しようとしたときに、そこに薬剤が存在すると嫌がってよってこなかったり、接触してしまった場合は、死に至ります。また別の仕組みの殺虫剤:昆虫成長制御剤の場合は、毒餌として食べさせて、効果を発揮するものもあります。 シロアリは数万から数十万頭のグループ(コロニーと呼びます)を形成しています。これだけの集団ですから、いつ、どこからどうやって攻め込んでくるか誰にもわかりませんし、一匹一匹はかよわい昆虫ですが、集団となった時の力といったらそれはすごいものがあります。柱の1本や2本は放置しておいたら中が空洞になってしまうこともあります。それだけの力を発揮するには数万から数十万の個体数が集団として活動する事が強みです。そこで薬剤の登場です。シロアリ防除をすると、薬剤の成分である殺虫成分は、人間の目には見えないけれど、小さな小さな粒になって、均一に地面の中や処理された木材の面に広く分布します。この均一に…というところが味噌です。先に言いましたように、シロアリ一匹一匹は小さなかよわい昆虫。でも、どこにいっても、行く先々に殺虫剤が待ち構えている。これはたまったものではありません。人間はシロアリのように小さくなって、一匹一匹に対処できませんから、人間のカバーできないミクロな世界で、我々の代わりにシロアリを撃退してくれる。どこから入ってくるかわからないから、これもまたミクロな世界において、建物を守るようにあらゆる場所で待ち構えている薬剤。こんな理由で薬剤が使用されるのです。 さて、紙面が無くなってしまったので、今回はここまで。次回は防除薬剤そのものと、防除方法に関して踏み込みたいと思います。9 agreeable No.23 july 2012/7