ブックタイトルagreeable 第24号(平成24年10月号)

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概要

agreeable 第24号(平成24年10月号)

相手に言えば、相手も下手なことを言えなくなるはずよ。Ⅶ.「内部通報」ってなんだろう?先生: もし職場でコンプライアンス問題を発見したら、みなさんならどうしますか?史郎: まずは、上司に相談するのかなあ…。先生: そうね。まずは上司に相談するのが普通よね。各職場で問題解決を図ることがコンプライアンスの基本です。だけど、その上司自身が問題に関与している場合はどうかしら?史郎: う?ん、ボクはどうしたらいいんだ?。面倒なことにはかかわりたくないので、見なかったことにするか。先輩: そうなると、内部通報…ですか?なんだか、身内のタレコミみたいで抵抗あるけど。先生: 気持ちはわかるけど、みなさんの「このままではいけない!」という気持ちが会社を救うのよ。問題がまだ小さいうちに解決すれば、社会への影響も少なくて済むことが多いのよ。問題が大きくなってからでは、社会問題化して取り返しがつかなくなることがあるわ。史郎: つまり、会社も従業員も大変なことに、なるってこと?先生: それだけじゃないわ。消費者や地域社会、取引先にも迷惑をかけるかもしれないわ。先輩: 最近「公益通報」という言葉をよく聞くんですが「内部通報」とはどう違うんですか?先生: いい質問ね!「公益通報者保護法」で通報者が保護される行政・マスコミへの通報や「内部通報」を「公益通報」というのよ。※「内部通報」と行政・マスコミへの通報は、両方とも問題を早期に発見して解決しようという目的は同じよ。だけど、従業員として、どちらの方法が本当に会社を良くしていくのかを考える必要があるわね。史郎: 会社を良くしていくのに外部の力に頼らなければならないなんて、正直かなり情けない話だよね。先輩: でもなぁ?、「内部通報」の場合は、誰が通報したかって詮索されるんじゃないかなぁ…。先生: 確かに、通報者が保護されないような制度では、「内部通報制度」なんて誰も利用しなくなるわね。でも、内部通報者の詮索禁止を規程に設けられているから安心よ。史郎: ところで、内部通報は、誰が受けるんですか?先生: 弁護士が受付窓口となっている会社が大半ですが、社内に担当者を置いている会社もあるのよ。※「公益通報者保護法」では、公益通報者の保護要件が定められています。特に、行政・マスコミに対する公益通報については、通報内容が真実であると信じる相当の理由などの厳格な保護要件が定められています。Ⅷ.「コンプライアンス」についてもう一度考えてみよう先生: 今回はコンプライアンスの基本についてもう一度考えてみましょう。コンプライアンスとは、「ルールを守る」ということです。ルールは法令だけではありません。規程や作業標準という社内ルールや社会規範というものも大切なルールです。史郎: 「ルールを守る」だなんて、オトナなら当然じゃないですか!先生: その通りよ。だけど、あなたは「常にルールを守っている」と言えるかしら?史郎: 「常に」と言われるとなぁ…。先輩: ルール自体を知らない場合もあるかも…。先生: 「このくらいなら大丈夫だろう…」と勝手な判断をしてルール違反をすることはないかしら?史郎: だって忙しくていちいち確認していられなかったんだよ?…。昔からやっていたことだし?。先輩: ルール違反かもしれないけど「会社のため」には仕方がないこともあるんじゃないかな?先生: それは、本当に「会社のため」になるのかしら?それに、以前は問題にならなかったことでも、今ではコンプライアンス違反が会社に大ダメージを与えることもあるのよ。史郎: 「常にルールを守る」には、どうしたらいいんだろう?先生: 仕事の中で、常に「誠実さ」を意識することね。誰にでも正々堂々と説明できるような仕事をすることよ。自分の行ないが社外の誰れがみても納得できることかどうかを意識すること、とも言えるわね。先輩: なるほど…確かに「都合の悪いことは隠しておこう」とか「これくらいなら判らないだろう」では、社会からの信頼は得られないよな。先生: コンプライアンス体制の整備も大切だけれど、最も大切なのは従業員のひとりひとりが業務の中で「誠実さ」を意識することなのです。信頼される会社をめざして、みんなで取り組んでいきましょう!おわり13 agreeable No.24 october 2012/10