ブックタイトルagreeable 第24号(平成24年10月号)

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概要

agreeable 第24号(平成24年10月号)

 訪ねたのは、研究開発から製造・販売まで一貫して行っている大手薬剤メーカー「住化エンビロサイエンス(株)」です。向かったのは兵庫県西宮市。事前にアポをとってあった環境薬剤技術部担当部長の安芸さんが西宮駅に出迎えてくれました。研究所・工場は車で10分ほどのところにあります。(写真1) 工場と研究所は隣り合わせになっていて、工場では、研究所の成果を製品化しています。殺虫成分、溶剤、乳化剤等の材料を混ぜて、各種害虫防除剤など多数の製剤をつくっています。隣のビルの研究所内にある実験室を見学させてもらいました。ここでは、シロアリ剤以外の他の薬剤の実験を行っていて、液体クロマトグラフィーなど各種分析機器が並び、研究スタッフが薬剤の安定性の評価、処方、配合を決めるための効力試験などを行っています。この試験をするために、逃亡防止対策が施されて隔離された室内で、ゴキブリをはじめ、イエバエ、シマカ、ボウフラなどが飼育されていました。さらに2重扉で隔てられた隣の部屋には防カビ剤、防腐剤の効力試験などをしている部屋がありました。木部用の予防駆除剤には必ず防腐剤が入っているので、この研究も欠かすことはできません。これらの試験は半年から数年をかけて行われるそうです。そして、ここでの試験の結果が有効であると認められると、大学などの公的機関で先生方に効力等の評価試験を依頼写真1 研究所薬剤の研究開発・製造現場へ シロアリを駆除するために、その昔は鯨油やコールタールを蒸留して造ったクレオソート油、そしてクロルデン、ヒ素などが使われていた時代がありました。現在では、シロアリ薬剤は効力や安全性の研究により、急速な進歩を遂げ、薬の形態(剤型といいます)も液剤(水溶性剤、乳剤、油剤、マイクロカプセル剤、フロアブル剤、顆粒水和剤など)から粒剤、錠剤、ベイト剤などなど数多くの種類のものが製造されています。これらの薬剤の違いや効能、成分、使用法など専門的な話は、それらの専門解説書に譲るとして、今回は薬剤メーカーの現場とはどんなところなのか訪ねてみることにしました。Interview薬剤メーカー会社訪問agreeable No.24 october 2012/10 14