ブックタイトルagreeable 第25号(平成25年1月号)

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概要

agreeable 第25号(平成25年1月号)

第7回 研究発表会 生立木の危険性について関心をもったのは5年ほど前、保安林の写真が私のところに持ち込まれ、ビックリしたのは、その土地の幅が4間ほどしかなくそこに20m以上の大きな木が何本も立って多くが倒れていました。写真を見てわかる通り、全く生きている木、それが家をかすめて倒れている。あまりにも大きくなりすぎたため、自重が支えきれなくなって倒れた木です。しかも根元を見てみるとシロアリと腐朽が激しい。どっちに倒れても家がある状態なので非常に危ない。見てもわかるように車の上にもどんどん倒れている。野放図に木を大きくしすぎている。調べてみるとヤマトシロアリの被害でした。こんなことがあって私は生立木の被害に興味を持ちました。 9月8日の静岡新聞に800年からの杉の木が倒れた記事を読み、行って良く見ると腐朽とシロアリの被害が見られました。こういったものを調べてみるとどんどんあるんですね。過去の写真も調べてみると水族館の休憩所広場に立っている木ですが、大きな被害が出ると困ると思いまして調査をするとシロアリが中に営巣している状態でした。市にお願いして切ってもらいました。近くの木も調べてみるとやはり中は空洞になって、上部までシロアリの被害が見られます。一番怖かったのは去年の9月台風15号で御前崎では30mの風が吹き三保の松原の松が5本も6本も折れました。これが全てシロアリの被害です。倒れて空き地に落ちたので人災も物損もなかったのですが、人がいたり民家の方に倒れたら大きな被害になったところです。大きな木ほど自重をささえられなくて倒れます。これは三保という地域だけの問題ではないだろう、おそらくあちこちでこういう問題は起きているのではないかと思うんです。防ぐためにはどうしたらよいか行政と話しているところです。けれどもやはり、今の行政の姿勢からいうとマツノザイセンチュウの防除が主体となっていてシロアリは従となっています。ほかの例でも写真で現状を見ていただくと幅の狭い道路にこんなに大きな木が立っている。防風林、防潮林として立ったもので今ではもう必要ないものが法律がそのままになっているためにこのように大きくしてしまっている。これがこのまま倒れれば現場に大きな被害が出る。どの限度を超えたら倒れるということがわからない。大学の先生には研究をお願いしているところです。 環境保護とか自然保護とかいうことで今なにもしないのは一番良くない。現状をまず良く知るということ、そのためにはシロアリを良く知っている我々が関与するかということになってくると思います。今やっている文化財蟻害調査と合わせて生立木の保存についても我々が関係していきたいと思っています。◎生立木のシロアリ被害による倒木の危険性について発表者 株式会社 アルパインエンタープライズ 山島 眞雄 氏agreeable No.25 January 2013/1 16