ブックタイトルagreeable 第32号(平成26年10月号)

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概要

agreeable 第32号(平成26年10月号)

!シロアリ探知機 シロアリの探知目的で開発された調査機器もいくつかあります。探知ポイントはいろいろあり、シロアリの出す代謝ガス(二酸化炭素や水素、メタンなど)を探知するものやシロアリが木材を齧る際に発生するAE 波を探知するアコースティック・エミッション、シロアリの動きを電磁波の反射波で探知するターマトラック(写真3)などがあります。シロアリ探知機の良いところは、目視などでは調査できない壁内や基礎断熱の調査、被害兆候の分かりにくいアメリカカンザイシロアリなどの調査に最適なことです。また、ターマトラックなどのように非破壊で調査できるものは重要文化財などだけでなく、一般家庭の調査でも家屋に傷をつけることなく調査ができるため大きな魅力と言えます。ただし、実際にはシロアリ探知機はそれ1台である程度の精密な調査が誰でもできるというのは不可能であり、いくつかの調査機器および経験を組み合わせてやっと満足いく調査が実施できます。顕微鏡・マイクロスコープ シロアリの被害調査時には使用することはほとんどありませんが、捕獲した虫体の同定や採取した糞などを調べるときには必須のツールです。特に干からびた虫体やごく僅かな糞などでシロアリの種類を判断しなければならないことはよくあり、こういった時にはシロアリの歯の形状や体毛を見たり、糞の形状を確認したりとしなければなりません。特にシロアリとアリの違いや地下シロアリとカンザイシロアリの歯の形状の違い、カンザイシロアリとケブカシバンムシの糞の形状の違いなどはこういったツールがないと判断が難しい場合があります。最近では、簡易ではありますが持ち運びのできるコンパクトなものも販売されているため、現場で即座に確認することもできます。シロアリ探知犬 ツールと言うべきではないかもしれませんが、シロアリ調査を手伝ってくれる犬がいます。「犬の手?も借りたいほど忙しい」というわけではなく、麻薬探知犬が荷物から麻薬類を探し当てるように、また災害救助犬が瓦礫等の下で被災している人を見つけ出すように優れた嗅覚でシロアリを見つけ出すように訓練された犬です。日本での導入事例はまだまだ数例しかありませんが、シロアリの臭いをかぎ分け非破壊でのシロアリ生息調査を実施することができます。その調査精度を維持させるためには日々の訓練は必要で、それなりの経費はかかるようですが、シロアリ探知以外のメリットもあるようです。例えば、シロアリ探知犬が活躍しているアメリカなどでは、この探知犬を会社のマスコット犬として売り出し、技術面だけでなく営業面でも人気を集めているという話も聞きます。 調査ツールは他にもサーモグラフィーカメラや聴診器などが活用されていることがあります。調査ツールは活用次第では非常に便利なものですので、適材適所で最適なものを組み合わせて使用することが最も正しい使い方だと思います。経験と技術による目視調査に加え、最適な調査ツールをプラスすることでより精度の高いシロアリ調査が実施できます。結果、被害の早期発見、的確な駆除処理の実施が可能となり、最終的にはシロアリ再発の防止や顧客満足度の向上などをもたらしてくれると思います。写真4 シロアリ探知犬写真2 ボアスコープによる小屋裏の調査風景写真3 ターマトラックT3i によるアメリカカンザイシロアリの調査風景5 agreeable No.32 October 2014/10