ブックタイトルagreeable 第32号(平成26年10月号)

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概要

agreeable 第32号(平成26年10月号)

道が構築されている箇所に局所的に穿孔して注入します(注4)。 尚、蟻道構築が外基礎の上端にまで達していると(図2)、家屋の構造材にシロアリ被害が達していることがありますので、被害箇所を把握してから駆除処理を行います。薬剤の効果 予防を目的として薬剤処理する場合は本コラムの第1回(注5)で、駆除を目的として薬剤処理する場合は第3回(注6)で紹介しておりますので、ここでは要点のみ記載します。 速効型(注7)の薬剤:予防ではシロアリが薬剤処理土壌に忌避する効果、駆除では薬剤に曝露されたシロアリが致死する効果(以下、致死効果という)や残蟻が薬剤に忌避して巣に戻れずに孤立して致死する効果などが発揮されます。 遅効型(注8)や中間型(注9)の薬剤:予防では薬剤処理土壌をシロアリが忌避せず薬剤に接触してシロアリが致死する効果、駆除では致死効果や残蟻が薬剤に接触して致死する効果などが発揮されます(注10)。 尚、製剤や散布装置の工夫などでさまざまな特性を付与している場合がありますので、詳細については取扱いメーカーに問い合わせるのがよいでしょう。注釈及び補足説明注1: 公益社団法人日本しろあり対策協会で定めている「新築建築物しろあり予防処理標準仕様書」によれば、新築の場合玄関・勝手口等のコンクリートで覆われた部分は建築物の一部とみなされます。注2: 敷地内のシロアリ駆除では、土壌処理剤を用いずに、ベイト剤など環境に配慮した薬剤で駆除するようにします。注3: 公益社団法人日本しろあり対策協会で定めている「既存建築物しろあり防除標準仕様書」(以下、既存建築物の仕様書という)によれば、土壌注入法とは、「コンクリート等の下の土壌を処理する方法で、コンクリート等に穿孔し、注入器を土壌中に差し込んで土壌処理剤を注入する方法で、薬剤の注入量は、土壌の質、周囲の状況などによって異なるが穿孔する間隔は1m を標準とした場合、1孔当たり3?5?を標準とする。但し、地下水が地表面に近い場所、及び井戸の周辺では行わない」と記載されています。注4: 既存建築物の仕様書によれば、「建築物外周部基礎の外側部位に蟻道を構築しており、駆除のために蟻道の処理が必要な場合には、薬剤が外部へ流失しないような方法でその部位を局所的・限定的に行う事ができる」と薬剤使用の条件が明確に記載されています。例えば、基礎の外側に断熱材を張り付けて熱効率を高めた住宅については、断熱材が地中と接しているためシロアリ被害にあいやすく、また仕上げ材に隠れてシロアリ被害の発見が容易ではないことから、防蟻対策の必要性は高いと思われます。このような物件では、外周部全体に土壌注入処理する方法も一つの工法と考えられますが、環境汚染対策に配慮した現在の既存建築物の仕様書には適合していません。環境へ薬剤が流出しない新しい防蟻工法が求められています。注5: 情報誌「agreeable」第29号の薬剤の知識 第1回/土壌処理剤について(床下が土壌の場合)を参照ください。注6: 情報誌「agreeable」第31号の薬剤の知識 第3回/土壌処理剤について(駆除としての役割)を参照ください。注7: 速効型の薬剤の例としては、ペルメトリンなどのピレスロイド系の防蟻成分を配合する土壌処理剤を挙げることができます。注8: 遅効型の薬剤の例としては、フィプロニル、クロルフェナピル、クロラントラニリプロールなどの防蟻成分を配合する土壌処理剤を挙げることができます。注9: 中間型の薬剤の例としては、クロチアニジンなどのネオニコチノイド系の防蟻成分を配合する土壌処理剤を挙げることができます。注10: 中間型と遅効型の違いについては、共に薬剤に忌避しませんが、前者では薬剤に接触すると1時間以内に行動異常が現れるのに対し、後者では数時間程度で行動異常が現れます。そのため、土壌穿孔距離や蟻道構築防止効果などでも両薬剤の違いが現れることがあります(情報誌「agreeable」第29号と31号を参照ください)。図3?5: 図に示した蟻道はイラストで描画したものですので、実際の蟻道と異なります。図10 花壇の柵の例 図9 放置された廃材の例図11 シロアリが生息している切り株図13 ポーチ部分への薬剤処理例図12 土壌注入法に使用する注入器の例7 agreeable No.32 October 2014/10