ブックタイトルagreeable 第35号(平成27年7月号)

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概要

agreeable 第35号(平成27年7月号)

が8月?9月の幼虫による被害が多いので8月下旬の薬剤散布をしておくと防げます。またカキはイラガ類が再発する場合が有り同時防除が可能です。アタブロン、ノーモルト、フェニックス等のIGR 剤*3の使用で長期残効が期待できます。1月には病害の予防とカイガラムシ成虫の駆除が主体です。病害が多発する庭では芽鱗や枝樹皮下・幹樹皮下に越冬する菌が住み着いている場合が多いので、冬の樹木休眠期(厳寒期)に使用できる石灰硫黄合剤を40倍で枝・幹にたっぷり散布します。但し、石灰と硫黄が入っているために衣服等にかかると黄変色と臭いが残ります。また散布器具を良く洗浄しないと中に石灰と硫黄の成分が残り、器具が壊れる原因となります。カイガラムシを主体に駆除散布をする場合はマシン油乳剤の100倍希釈液散布が最も有効です。但し、石灰硫黄合剤とマシン油乳剤の混用や、1ヶ月以内の近接散布は樹木に対する薬害が問題となりますので、どちらかの1薬剤をひと冬に散布すると良いでしょう。一般的な虫の駆除は《樹木類登録》(幅広い樹木に使用できる)市販のスミパイン乳剤等の有機リン剤やトレボン乳剤等のピレスロイド剤、トアロー水和剤CT等のBT剤(バチルス・チューリゲンシス)を使用すれば確実に駆除可能です。ハダニ幼虫にはバロックフロアブル使用が良いでしょう。秋に突発的に発生する病害としてペスタロチア病菌による2次性病害《炭疽病》があります。造園業の人たちもあまり馴染みがない人たちが多く、夏?秋に剪定した後に、剪定痕に病原菌が侵入します。剪定ハサミによる感染もありますし、台風などの強い風によっても感染します。感染すると火傷のように樹木の枝から枯死して行きます(写真6)。発生が多い場合は庭全体が枯損する場合もありますので注意しましょう。使用する薬剤はZ ボルドー、オキシン銅等の銅剤を2週間に1回、3?4回散布します。写真4-1 チャドクガ1齢幼虫写真5 幼虫の脱け殻 写真4-2 チャドクガ3齢幼虫写真6 ペスタロチア病上左:ツバキとマキ垣根、上中央:フヨウ、上右:ツツジとマキ玉造りとサルスベリ下左:マツ、下中央:マツ(矮化症状が顕著)、下右:マキ(門冠り)とサルスベリ*1?2: ツバキ科(ツツジ目)ツバキ、サザンカ、チャ、ナツツバキ等*3 : IGR=Insect GrowthRegulator(昆虫成長制御剤):キチン合成阻害剤と幼若ホルモン剤があり、脱皮・変態に異常を発生させて死亡させる。11 agreeable No.35 July 2015/7