『どうしてこんな場所にこんな家を建てたの私は、兵庫県神戸市を中心に西宮・姫路・淡路・大阪と数多くの様々な現場を四半世紀以上経験してきました。幸いなことに兵庫県は、ヤマトシロアリにイエシロアリ、アメリカカンザイシロアリに至るまで日本におけるメジャーなシロアリをあちこちで目にすることができます。皆さんも日常のシロアリの仕事をしていて感じたことありませんか?か?』または『どうしてこんな構造の家を建てたのか?』というような、シロアリ業者泣かせな現場にもちょくちょく遭遇するのではないでしょうか?では『この被害はどちらの家が原因だろう?』という現場に出くわした経験はどうでしょうか?今回ご紹介するのは、懇意にさせていただいています同業者様からご紹介いただいた、イエシロアリの現場で、『どうしてこんな構造の家を建てたのか?』と『この被害はどちらの家が原因だろう?』ということが同居している、そんな現場のお話です。場所は、神戸市内の関西ではそれなりに知名度のある海水浴場のすぐ近くです。まずはあらかじめ聞いていた庭の調査をしました。写真①のような太い蟻道に写真②③のようなこんもりはみ出た蟻土。イエシロアリの現場では見慣れた風景です。建物の構造はツーバイフォー住宅。雨漏りの水でイエシロアリが水取りをして壁の中で生息できる構造。過去何度も頭を悩ませた経験のある構造です。さらに2階建てなのに高さが3階建ての高さ。はしごをかけてみたものの、通常のはしごでは届かない高さでした。これまた厄介な現場を紹介されたものだと思いました。(笑)。周囲をグルっと回わると、更に驚きが。『全部くっついている!』おまけに写真⑤の写真手前側に見えるこの庭から蟻道が上がっていますが、この庭と赤っぽい壁の家の所有者はそれぞれ別々。これってまずくないですか?隣の家の敷地からシロアリの侵入しているのです。気を取り直してまずは、庭の方のお宅、K様邸の室内をさらに調査しました。写真⑤の庭に面している洋間のフローリングに被害(写真⑥)があったので床下を調査しましたが、床下に蟻道はなく、外部の蟻道からの被害が広がっているようでした。床下の断熱材を外すと写真⑦⑧のような状態でした。床下はそれほど被害が広がっておらず一安そうなんです、2つの家がくっついているだけではなく、写真④図①のような変則的な形をした8戸が連なる集合住宅だったのです。株式会社チューガイ 宮田 祐治10agreeable No.52 October 2019/10写真②写真④写真⑤写真①写真③ 第4回この被害はだれのせい?どっちの被害?ないようである事例
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