月4日栃木市油伝味噌(国指定3建物)店舗兼母屋、中蔵、東蔵をナギ産業様指導の下、研修会を実施しました。天明年間(約227年前)の建物を傷をつけず、慎重に取り扱い、診断結果をお施主様に報告したときは、大変、慶んでいただきました。この活動に際した皆が、活動の意義を感じ何らかの達成感を覚えました。反面、お施主様の文化財保護に対しての熱意を垣間見たようでした。つづいて、鹿沼市で印象に残る物件について報告いたします。東高野山医王寺は1300年の歴史と三万坪の清浄界があります。日光開山勝道上人により765年に創建され、弘法大師ゆかりの寺「東高野山」とよばれています。広さ3万坪には金堂、唐門、弘法大師 堂、講堂、客殿など、壮大な建物が立ち並んでいます。中でも絢爛な彫刻で飾られた唐門が参拝のポイントです。また、れています。ここでは、唐門と金堂のみ説明します。医王寺唐門(県指定重要文化財)四脚門、朝殻葦入母屋造りで、正面の唐破風がたいへん華麗です。宝歴3年(1753年)の造立で、細部ぼ手法は、地紋彫、ふぐら彫など、日光東照宮陽明門の写しとして知られています。次に、医王寺金堂(県重要文化財)寛文5年(1665年)に再建され、桁行五間梁間四間で正面に向き拝一問を設けています。屋根は瓦葺の寄棟造りで、その高さは20m余りになります。内部は内、外陣に分かれており、内陣には入母屋造りの立派な宮殿を配し、薬師如来三尊像が安置されています。内外とも塗装、色彩が施され、真言に密教の中心たる壮麗な大伽藍になっています。診断を終えて痛感しました、この立派な建物を檀家、自治体が世代を超えて細やかに修繕維持工事の跡が至る所に入っていました。個人所有の重要文化財の管理には今更ながらに、その苦労を感じました。結びに、平成30年度の蟻害腐朽検査活動にも、物件を観させて頂ける喜びに感謝の気持ちをもち、しっかり活動したいと思いました。令和元年、2年の関東協会の取組みとしては、1都9県で各1〜2件の募集を募り11月〜2月を目安に担当業者様と計画実施の予定です。13agreeable No.52 October 2019/1027件にも及ぶ県指定重要文化財が収蔵さ
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