agreeable 第52号(令和元年10月号)
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た頃に社長から、もういいやろ、独り立ちに成ります。営業の方に新築の現場を見つけたら大工さんに挨拶をして!と教わっていたのですぐに実行です。当時は木造の田舎作りの家も沢山建築されていました。大工さんも工務店もまだすんなりと受け入れてくれました。前回は他に頼んだ、今回は君の所に頼む、そんな緩やかな時代でした。しかし4月の初めにはチラシをトラックに積んで新聞販売店周り、白蟻の羽蟻が飛び立つ5月の連休後からは戦場のごとくの(経験していませんけどたとえです)忙しさです。会社は農協の指定店として毎日びっくりするような調査依頼でした。羽蟻が出てきてビックリしているお客さんですから直ぐにも来て対策してほしい。そんな状況でしたから営業は、羽蟻の出た場所をみて、間取りをとって計算してこれだけかかります。といって注文書を出してサインと印鑑を頂いて施工の日程は会社に帰ってから又お打ち合わせのお電話をします。という風に次から次のお客さまを訪問しなければならないほど忙しかったわけです。30坪迄は午前中で工事を組むそれ以上は午後に、そのようなハードな状況でした。(私のお世話になっていました会社は駆除車両7台の車がフル回転、私の受け持つ熊野路は高速もなく往き道で2時間以上もかかったので泊まりで日程を組むために1台は熊野路用にキープ、近場は他の営業さんと取り合いするような繁忙でした。そんな少数精鋭で5、6億ほど売り上げていましたから、もうそのようなバブル期はお目にかからないでしょう。)床下調査もそこそこでしたから現場は家によっては基礎の開口部が狭くて基礎を割ったりする工事などしなければ工事ができないところがあったりしてたいへんです。近年では常に斫り機器を施工車に積んでいる会社は多くないと思います。写真④そのような工事の箇所が何発あったとか、面積が10坪以上も誤っている営業もいたりして施工する人にとっても重労働でたいへんな時期でありました。営業も帰社してからの書類整理、営業に行っている間にきている調査申し込みのお客さまに連絡、ご契約頂いた御客様に工事の日取り決めと、てんやわんやで退社時間は日付が変わっているのが普通の状態でした。そのような忙しい期間を繁忙期として平成一桁を境に10年を超える頃には工事をし尽くして被害の申し込みも減少してきました。その頃より会社は駆除工事の売り上げ減少を補填するべくリピート工事に力を入れてきたのです。施工の現場の人にはろくな調査もしていないでぶっつけ本番の工事で今考えても申し訳なかったなと思います。特に現場が難しいと思うときは安心できる現場の人を指名していってもらったりしました。私は社長の言われたところは全て引き受け、農協も鈴鹿の一部・三重中央・一志東部・紀伊長島以南全てまわって営業したおかげさまで私は多くの現場をみて経験を積んできました。勿論メーカ、工務店の担当もしていろんなところで活動して、現在も調査、現場と現役で行動しています。自慢は、イエシロアリの駆除工事もずいぶんしましたが、再発なしです。写真⑤、⑥は家のポーチ柱に上がったヤマトシロアリの蟻道です。最後となりましたが、私が平成16年2月までお世話になりました三重県のこだまの福島会長には感謝です。当時はシロアリだけで飯が食べられた時代、我々業者は、自分の仕事に誇りを持って、活動をして頂くことを切に願います。単に価格競争がもたらす結末は、共存共栄できず、いろんな事業に手を染めていかなければ生きていけない我々の業界に明るい未来は見えません。さて、書き進めていくと未だ未だ書きた  いけれども原稿の字数も限りがありますので今日はこの辺でペンを置きます。乱筆乱文にて失礼いたしました。では、来年三重県伊勢志摩で開催の全国大会でお会いしましょう。17agreeable No.52 October 2019/10写真⑥写真④写真⑤

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