"TERMES"(しゃれてますね)。そして、プ個々の動きはある意味、バラバラであり、コンピュータープログラムのように決まった順番をたどらず、ランダムに進みます。そしていつのまにか、最後の姿はキチンと修理された形に行きつきます。前置きが長くなりましたが、このような の問題がありますので、本誌面では写真やシロアリの生態をベースに、上述のハーバード大学の研究では、同じような動きをロボットで成そうということです。著作権動画などは紹介できませんが、ご興味のある方は、上記のURLい。動画も用意されています。簡単に紹介します。まず、単純なワンパターンの行動のみしかできない個々のロボットを用意します。そして、最終的に作りたい構築物のデザインのみがプログラミングされます。ここで面白いのは、そのロボットの途中の動く経路などの細かい動きのプログラミングはされません。また、個々のロボットには個別に施行するような自立性は付与されないようです。ちなみにロボットの名前はログラムが実行されると、個々のロボットは、個々の動きをし始めますが、しかし、なぜか最終的な構築物は見事に作り上げられます。驚くべきは、これを何回か繰り返した場合、個々のロボットの動きは一緒でも、ゴールの構築物にいたるまでの構築途中の形状は、やるたびに違うそうです。つまり、ゴールの形は一緒なのに、作っていを覗いてみてくださorganismなんて表現をします。超有機体。る最中は、毎回違う過程をたどります。不思議ですね。ロボットにプログラミングという、ともすれば、毎回正確に同じことを繰り返すはずの仕組みをやっているように見えながら、毎回、過程が違います。研究では、この仕組みを利用して災害時の土嚢積み上げなど、人海戦術的な作業をロボットで置き換える際に役に立つのではないかと考えています。さて、文章だけで、ご理解いただくのが難しい話題でしたが、ここでシロアリそのものに話を戻します。改めて言いますが、シロアリは高度な社会性を有する昆虫です。でも、人類の社会のように個々の個体が自立性をもって、しかも高度に相互関係性をもって、社会を築いているわけではありません。女王を中心とするフェロモン等に支配された集団を形成しているだけです。また、個々が深い思考能力をもっているわけでもありませんから、職蟻の例で言えば、あくまで単純な役割を担っているだけです。本能のみで動いており、そこには人間のような意思はないように見えます。ところが、コロニーという集合体になると、まるで、全体で一つの意思を持ったかのよう、目的に向かって、有機的に行動します。英語では時にシロアリコロニーをsuper 幾百万の個体は単なるコマの一つで、なんらの自立性も目的も持ちませんが、コロニーという集団になると、意思を持った有機体に見えるということでしょうか(私なりにちょっとドラマチックな言い方かもしれません)。こんな賢いシロアリという生き物を研究することで、先のロボット研究のように、社会に役立つ様々なものが開発されていくのかもしれません。シロアリの社会性が、なんと災害用ロボットに応用です。そういう意味では、シロアリを日々やっつけるだけではなく、もっともっと彼らのことを深く知り、大きな視点で理解しておくことも、また、業界に身をおく一人として大切なことだなぁ…と思う機会でした。ふふかからくらくしし19agreeable No.52 October 2019/10孵化孵化羽化羽化産卵産卵落翅落翅新しい巣の創設社会性昆虫のシロアリは女王・王、働きアリ、兵アリなどの階級が仕事を分担して生活しています。社会性昆虫のシロアリは女王・王、働きアリ、兵アリなどの階級が仕事を分担して生活しています。副女王・副王副女王・副王※ヤマトシロアリの例※ヤマトシロアリの例1〜3%90%蟻道や巣の建設、修理、清掃、蟻道や巣の建設、修理、清掃、他階級の給餌などあらゆる労他階級の給餌などあらゆる労務をうけもつ務をうけもつ突出したはさみ状の大あご突出したはさみ状の大あごと堅固で大きな頭部で巣をと堅固で大きな頭部で巣を外敵から守る外敵から守る2〜3%卵卵幼虫幼虫ニンフニンフ働きアリ働きアリ兵アリ兵アリ羽アリ羽アリ女王と王女王と王群飛群飛巣に各1頭巣に各1頭交尾・産卵を行う生殖階級交尾・産卵を行う生殖階級木造住宅を加害森林の枯木を分解4月〜5月の昼間、集団4月〜5月の昼間、集団で巣から飛び立つで巣から飛び立つ人目につく唯一の機会人目につく唯一の機会カップルとなった雌雄成虫カップルとなった雌雄成虫【シロアリの生態】【シロアリの生態】
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