agreeable 第52号(令和元年10月号)
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読者からの投稿私が白蟻防除の仕事に就いて、はや三十三年になります。当時の薬剤も今とは違っていて、人体に対する影響も大きかったためか、新築の予防工事でも厚手の合羽を着用し、ゴム手袋、防毒マスクといった完全装備で予防工事をしていました。土間コンクリートを打つ前の土壌処理などは、夏場の炎天下で日陰もない中、体中の汗だくになりながら施工をしていました。ゴム手やマスクにも汗がたまり外すときには零れ落ちるほどでした。工事が終わり合羽を脱ぐと三十度ぐらいの気温でも涼しく感じられ生き返るようでした。(今なら熱中症対策を万全にしなくてはなりませんが、当時は熱中症という言葉さえ聞いたことがありませんでした。)今思うと、よくぞ倒れずに毎日仕事をしていたなと思います。冬場には、動噴のホースが凍り付いて薬剤が出なくなってしまい、ホースを温め解凍に時間がかかり、作業開始時間が大幅に遅れてしまい大工さん達に、迷惑をかけてしまうこともありました。今では、薬剤もいろいろ改良され厚手の合羽などは着なくて済むようになりシロアリの予防工事もだいぶ楽になりました。また、新築の木部処理でも当時は、着色が多く和室が多い建物では化粧柱を一本一本養生するのにだいぶ時間がかかりました。それでもたまに、柱などに色が染みこんでしまい色を落とすのに苦労しました。又、今は根太レス構法が主流ですが、以前は根太組工法が多かったため、根太に薬剤吹き付け作業の際、節のある根太を踏んでしまい根太が折れたりして足をすべらせて、すり傷を常にあちらこちらにつくり、大工さんから「おいおい大丈夫かきをつけろよ」と心配されることもありました。駆除工事でも、昔の建物では床が低く転有限会社仙台快居システム 安齊 良明        20agreeable No.52 October 2019/10長年白蟻防除施工をして

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