3agreeable No.52 October 2019/10 Cubitermesは完全なsoil-feeder(土壌食)で、職蟻ACB ABトーゴ・ロメ大学動物学科応用動物学研究室 Boris Dodji Kasseney(訳:吉村 剛) Cubitermes属は、シロアリ科Cubitermitinae亜科を構成する25属の内の一つです1。この仲間はアフリカ大陸のサハラ砂漠以南のみに分布していて、熱帯雨林からスーダンの砂漠地域まで多様な環境に生息しています2。Cubitermesのシロアリはアフリカ全体で67種類が記載されていますが3、キノコ型の特徴的な塚を造ることで知られています。兵蟻は一つの形態のみです。まだ研究中ではありますが、トーゴには4種類が分布しているようです。すなわち、Cubitermes bilobatodes Silvestri(図1A)、C. curtatus B)の4種です。Silvestri、C. fungifaber Sjöstedtおよび未同定種(図1図1 トーゴ中部Fasao Malfakassa公園にて採集したCubitermes2種の兵蟻の形態比較。A:C.bilobatodes、B:未同定種は有機質に富んだ土壌を餌として摂食します4。取り込まれた土壌の中の有機物は栄養として吸収され、排泄物は塚の構築に用いられます。塚の形は、図2に示した様にキノコ型ですが、屋根(cap)を持たないもの、一層の屋根を持ったもの、そして複層の屋根を有するものまで、シロアリの種類やコロニーの年齢によって異なります。種類にもよりますが、一般的には、若いコロニーの塚は屋根を持っておらず、古いコロニーのものでは屋根を有するようです。塚が40〜45cmに達すると最初の屋根が造られるようになるという報告もあります5。また、一つのコロニーが屋根のない塚と立派な屋根のある塚の両方を持つ場合もあります(図3)。最終的な塚のサイズはもう少し大きくなるものもあります。図2 Cubitermesの塚の3態。A:屋根のない塚、B:1層の屋根付き塚、C:複層の屋根付き塚第8回世界のシロアリについて1.分類2.摂食生態と塚の構築アフリカのシロアリ達② ─Cubitermes
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