9agreeable No.54 April 2020/4 系化合物である--,JTCASS第1号(2018JWPAS-TS-(₁)(2018あります。このことから、日本専用に新たな予防駆除剤を開発する動機が小さいことも要因と考えられます。メタジアミド系防蟻剤など新規作用機構を持つ防蟻成分を含む製剤も出てきました。しかしながら、新規製剤の認定が減少している現状では、ピレスロイド及び非エステルピレスロイド系防蟻剤、ネオニコチノイド系防蟻剤が主流である状況はしばらく続くと考えています。予防駆除剤に使用される防腐成分は、アゾール系防腐剤が52製剤と68%を占めます。アゾール系防腐剤としては、シプロコナゾール、ヘキサコナゾール、テブコナゾール、プロピコナゾール、F–69が該当します。次いで、有機ヨウ素IPBCを配合した製剤が14製剤で18%となっています。またIPBCはアゾール系化合物と併用される場合があり10製剤が認定されています。この併用については、IPBCの防カビ性能を期待した配合と、アゾール系化合物の防腐性能を補強する目的で配合する場合があります。現在、予防駆除剤の防腐成分として主流になっているアゾール系防腐剤は、農薬や医薬品分野でも抗真菌剤としても使用されます。水虫薬などがその一例です。その作用機構はエルゴステロール生合成阻害に分類されます。エルゴステロールとは、カビや腐朽菌などの真菌の細胞を構成する細胞壁系を構成する重要な材料です。エルゴステロール合成を阻害することで、真菌が細胞壁を正常に形成できなくなります。IPBCは、化粧品やシャンプーなどの防腐成分として使用される化合物です。その作用機構は、真菌の細胞膜や体内で働く酵素の機能阻害と言われています。現在、アゾール系防腐剤とIPBCのみが使用されています。これらに変わる新規化合物の創出が期待されるところです。しかし、シロアリ防除薬剤の市場は農薬や医薬品と比べる参考資料 木材保存 37(3)104-110(2011) 日本しろあり対策協会規格としてりますが、公益財団法人日本住宅・木材技術センターの木材保存剤等性能審査規れています。程には 現在は、木部のシロアリ駆除は認定薬剤を使用すると規定されており、予防駆除剤以外も使用する事が可能です。 日本木材保存協会の認定薬剤である、加圧注入処理剤などの木材保存剤では、銅系化合物や4級アンモニウム塩系化合物であるDDACなども防腐成分として使用されています。とかなり小さく、農薬で使用される化合物を転用する事が現実的な状況です。農薬では安全性や環境影響の観点から、対象とする有害生物のみに対して効果を発揮する選択性を高めた化合物が多いそうです。また、環境への影響低減のために、自然環境中で分解する化合物である必要があります。木材防腐剤として適用する場合は、一種類の成分だけではなく、複数の有効成分を組み合わせなど、より高度な製剤技術や、長期残効性が求められるシロアリ防除薬剤としての評価法構築も重要になります。)が相当試験とな)が記載さ表1 土壌処理剤、予防駆除剤で使用される防蟻成分*3 *2 化合物系等カーバメイト系ピレスロイド系非エステルピレスロイド系エトフェンプロックス、シラフルオフェンネオニコチノイド系天然物系フェニルピラゾール系フェニルピロール系アンスラニル酸アミド系クロラントラニリプロールメタジアミド系フェノブカルブペルメトリン、ビフェントリン、シフェノトリン、プラレトリン、トラロメトリンイミダクロプリド、クロチアニジン、アセタミプリド、ジノテフランピレトリンフィプロニル、ピリプロールクロルフェナピルブロフラニリド*1 ₁) 防蟻成分土壌処理剤予防駆除剤3製剤無し23製剤23製剤7製剤18製剤28製剤28製剤1製剤1製剤13製剤4製剤3製剤無し2製剤無し無し2製剤
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