agreeable 第54号(令和2年4月号)
17/23

す。道路の拡幅工事により現地での維持が困難となり、1989年(平成元年)に綾町に移築され、1992年(平成4年)5月19日に綾町指定文化財に指定されました。こちらも検査実施前に、管理元である酒泉の杜の担当者から、「数年前に駆除工事を行った。」と報告を頂いておりました。しかしいざ検査を始めると、イエシロアリの被害が多数。戸袋は今にも落ちてしまいそうで、二階は上ると危ない、そんな状況でした。有翅虫が群飛した形跡も見られ、かなり前から被害を受けている様子でした。協会外の業者が駆除を行ったらしく、死滅までは至っておりませんでした。以前は見学施設として開放されておりましたが、被害状況から見ても危険箇所多数のため、また今後解体する事も考えられているため現在は封鎖中です。解体、建て替えが行われる場合には、駆除、予防工事を行うことが先決だと感じました。また、協会員の技術向上のためにもぜひ、駆除工事を実施できたらと思っております。令和元年、宮崎県しろあり対策協会は、一般財団法人宮崎県建築住宅センターにて、公益社団法人日本しろあり対策協会で初の協定締結を現実のものとすることができました。今後この締結をもとに、インスペクションの一部として蟻害・腐朽検査士をどんどん活用していきたいと考えております。日本から首里城は焼失してしまいましたが、大切な文化財を守る為に、宮崎県しろあり対策協会では蟻害・腐朽検査を進めていき、蟻害・腐朽検査を通して社会貢献につながるよう尽力していきたいと思っております。15agreeable No.54 April 2020/4旧清水家住宅被害部の一部建設新聞:令和元年11月11日(月)旧清水家住宅外観

元のページ  ../index.html#17

このブックを見る