agreeable 第54号(令和2年4月号)
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2agreeable No.54 April 2020/4図6 ザルに入った洗浄後の翅蟻図7 翅蟻の乾燥工程引用文献1)  Pearce, M.J.(1997). Termites, Biology and Pest 図8 M.subhyalinusの翅蟻を炒める図9 完成したM.subhyalinus翅蟻の炒め物図10 保存のためにフリーザーバッグに入れたM.subhyalinus翅蟻の炒め物managements CAB International, Wallingford, U.K.※英語名表記が多いため、横書にしております。3.採集した翅蟻の洗浄と乾燥 採集した翅蟻には多少なりとも土などの汚れが付着していて、食材として利用する前にきれいにする必要があります。まず数回水で洗い、ざるを用いて水を切ります(図6)。これによって、汚れや混入した他の虫の翅アリや脱落した翅が取り除かれます。十分水を切ったら5時間から7時間ほど天日で乾燥しますが(図7)、この時にも混入したゴミを取り除きます。4.翅蟻の炒め物 乾燥した翅蟻は30分から45分ほどフライパンで炒め(図8)、最後に塩水を加えて3分から5分ほど炒めます。その後容器に移し、翅を取り除くことによって、翅蟻の炒め物が完成します(図9)。もちろんこのままでも食べることができますが、チリソースを振りかけたり、ご飯と一緒に食べたり、サンドイッチに入れて食べることもできます。また、次の群飛時期まで冷凍保存することも可能です(図10)。5.翅蟻の炒め物の欠点 翅蟻の炒め物はその採集に手間がかかることから、嫌がる人もいます。体に着いた土や混入したクロアリの翅アリなどを丁寧に取り除く必要があるからです。また、集めた翅蟻は素早く調理する必要があります。具体的には、採集してから2日以内に調理しなければなりません。

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