5agreeable No.54 April 2020/4⑪ あらたに「その他留意すべき⑫ 今後既存建築物の維持保全が⑬ 同じく「防腐・防蟻処理の方⑭ 各種の実態調査の結果からもとすることを原則とし、ユニットとしない場合については使用水による劣化リスクが高まることから、木部の防腐・防蟻に関して必要な措置を詳細に記述しました。箇所」という項目を設け、中大規模な公共木造などで出てくると想定される木材の屋外使用に関して、木材保存上の留意点を示しました。ますます重要になってくることに鑑み、「防腐・防蟻処理の方法」では、新築建築物に加えて、既存木造建築物についての記述を追加しました。法」で、従来の「現場処理」をプレカット工場で行うケースが増えていることから、誤解を招かないよう「現場処理」を「表面処理」に改めました。明らかなように、基礎断熱工法の普及が進んでいます。「土壌処理の方法」では、このことを踏まえ、その場合の土壌⑮ 同じく「土壌処理の方法」に、⑯ 対象シロアリとしては、イエ処理方法を追加しました。また、新築に加えて既存の場合の措置も追加しました。ベイト工法による場合と防蟻材料による場合など、近年の新しい処理方法について追記しました。シロアリ、ヤマトシロアリのほか、既存建築物においてはアメリカカンザイシロアリやダイコクシロアリなどの乾材シロアリに関する対処法を追記しました。なお、本指針の改訂にあたっては、以下の各項目を基本的な方針としました。a. 信頼性のある最新の科学的・技術的知見にもとづくこと指針内容の改訂にあたっては、信頼性のある学術論文や調査研究報告書などに根拠を求められる内容に基礎を置くことを原則としました。b. 本協会の標準仕様書を踏まえた内容とすることしろあり防除施工士は、本協会の防除施工に関する標準仕様書にもとづき作業を行っています。この仕様書は、最新の蟻害・腐朽状況、建築構法・材料、防腐・防蟻処理技術、処理薬剤情報などのほか、住宅供給事業者、薬剤メーカー、設計者、行政、防除士など防腐・防蟻・防虫に関わる様々な立場の方々の意見を反映した内容となっており、わが国で最も信頼できる防除施工工事の基本的な技術書であり、指針の改訂にあたっては、これを踏まえた内容としました。c. 必要に応じて公的基準類を上回る内容とすること耐久性の高い建物を造るにあたって特に必要がある部分については、上乗せ基準として建築基準法や品確法あるいは公的仕様書を超える内容を盛り込むものとしました。たとえば、木部処理では、建築基準法等では地盤面上1m以内を対象範囲としているが、本指針では基礎天端上1mとしています。これは、近年の木造住宅の蟻害・腐朽の解体調査によれば、図2に示すようにそれ以上の高さにまで被害が及んでいる住宅が少なくないことなどを背景としています。 図2 木造住宅の蟻害および腐朽被害の最大高さ(図中の「被害高さ」は地盤面からの高さで、高さ0は被害無しを意味する)出典:川田達郎ほか、解体調査による木造住宅の生物劣化被害と保存処理の検討、木材保存、Vol.42、No.2、p.1〜p.9、2018年
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