クラックが入っているのに気づきました(写真8)。打診してみるとコンクリートではなく、空洞音がしました。許可をいただき、軒の天井を外すと、鉄筋コンクリートに木で50cmほど突き出しを作っており(写真9)、その後の外壁塗装で同じ色で仕上げているため、この空間を木で作っているなど想像もできない状態でした。(写真10)この空間には、巣もあり(写真11)、中からは女王蟻も取り出すことができました(写真12)。また、皆様にも経験があると思いますが、増改築時に既築部分の基礎と増築部分の基礎が重なり、その間から侵入し、さらには、施主様もどのように作ったか、またどのように改築したかを忘れ、被害にあわれるケースもあります。増改築から時間が経ち、外壁塗装などを実施し、外見上、そこに空間があることがわからない現場もあり、イエシロアリの駆除は小さな兆候を見逃さず、巣を探しだすことが大事だと思うところです。最近は建物を壊すことを嫌われる方が多く、巣を見つけることが困難になってきています。今後も、ただ薬剤をまくのではなく、巣を探し、しろあり達と知恵比べをしながら仕事をしていきたいと思います。11agreeable No.55 July 2020/7写真10写真8写真9写真12写真7写真11
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