agreeable 第55号(令和2年7月号)
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この度、広報委員会より「先人に学ぶ」の原稿執筆依頼を受け、「シロアリ」とは少々方向性が異なりますがお付き合い下さい。私は以前、厄年に「三途の川」をこの目で見るという経験をしました。あとわずかで「行く」から「逝く」に至るところでした。それまで特に病気もなく健康一番で仕事に励んで来たと言っても過言ではありませんでした。しかしどんなに「自分では健康だ」と過信していても「不摂生」に病は訪れます。それは8月お盆休みも終わり、いよいよ今日から出勤の早朝でした。夜中に激しい腹痛で目覚め、手持ちの薬を服用するも痛みは一向に治まらず、そうしているうちに息が苦しくなり意識が遠のく中、自分で救急車を呼び気付くと診察室におりました。医師、看護師から様々な質問を受けるも言葉にならず再び気を失いました。気付くと私は川のほとりに立っていました。その川は歩いてすぐに渡れそうで、幅4メートル程で深さ5cm程度。川底の小さな石がコロコロと音を立てて流れています。そして川の向こう岸には亡き父と祖母が笑顔で私を見ています。その後ろには新緑の森と遠くに山に小鳥のさえずり。とても心地が良さそうでした。 「ずっとその場にいたい。川を渡って父と祖母の所に行きたい」と感じた事を覚えています。その時、耳元で私の名前を呼ぶ声が。この場所から離れたくないと思いつつも名前を呼ばれ、ふと目を開けるとそこは集中治療室。腹部から4本の管が伸び手腕には点滴、そして部屋に響く「テレビドラマで耳にした聞き覚えのある」心電図モニターの「ピッピッピッ」という音。後に判ったのですが、川のほとりでキラ                  キラした光景を眺めていた時間は自分の中では30分程度。しかし名前を呼ばれ目が覚めた時に2週間も経過していました。入院中に外の雨音で目が覚めると膝から下が雨に濡れてるという幻覚を見たり、知り合いがお見舞いに来ても、その人が誰なのか不明だったりしました。やがて意識も回復し普通に会話が出来るまで回復し、3ヶ月半の絶食と点滴でやっと退院の日を迎えました。それまでの私は「休みなんてもったいない、仕事の為ならどんなに遠くても行く。家庭より何より仕事が一番!」そんな仕事人間が、この救急搬送入院で人生が変わりました。限られた一度きりの人生もっと有意義に過ごしたい。仕事で悩む人生より、仕事も楽しむ人生に切り替わったのです。どんなことでも一生懸命、仕事はもちろん遊びでも。そんな中で「ある法則」を発見しました。 「宇宙の法則」「78:22の法則」そして「ユダヤの法則」。法則って何?懸命過ぎなくてもいい?それでうまく行く?そんなことを思いながらある書を目にし、目から鱗の自分でした。「78:22」その例が次の内容でした。・海と陸地の割合株式会社三井ピーシーオー 奥山 忠一12agreeable No.55 July 2020/7第十一回先人に学ぶ

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