agreeable 第56号(令和2年10月号)
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5agreeable No.56 October 2020/10木材を食害します。従って、シロアリが侵入してくる床下土壌を防蟻処理してあれば、シロアリ侵入の第1段階を阻止することができます。床下全面の土壌を処理することが好ましいのですが、地下水位の高いところ、井戸の近いところなど環境を汚染する恐れのある地域もあるため、最小限の薬剤処理量となるよう、処理部分は限定されています。床下地盤の乾燥を保つことは、建物の耐久性を向上させる前提条件であり、屋外より床下への水の浸透がないようにしなければなりません。そのため、布基礎の場合は外周りの土は、よく突き固めて水の浸透のないようにするか、コンクリートを打って犬走りを設ける必要があります。床下土壌からの水分の蒸散を防止するため防湿コンクリートを所定の厚さ以上に打設するか透湿抵抗の大きな防湿ポリエチレンフィルムを敷設しなければなりません。床下土壌に伐根、切株、鋸屑、木片をそのまま放置したり、あるいは木質残材などを土中に埋め込んだりすれば、その部分に営巣したりしてシロアリを誘引することになるため、コンクリートの打設、防湿フィルムの敷設などの防湿措置の前に必ず撤去しておくとともに、床下だけでなく敷地の整地時も同様に切り株や残材を埋め込まないようにすることが大切です。べた基礎などでは直接あるいはスリーブ管を施工して基礎立上り部分や床スラブ等コンクリート部分を貫通する給排水、冷暖房機器用配管類が設置されます。この配管貫通部分は外部からの雨水の浸入をまねくとともに、すき間部分はシロアリの侵入口となります。そのため、水抜き穴やコンクリートと配管類・スリーブ管とのすき間、スリーブ管と配管類のすき間には物理的な防蟻材料で覆ったり防蟻性のある材料を充填するなど、防蟻上の措置を忘れてはなりません(図3)。品確法等では、べた基礎は地     分と基礎立上り部分の取り合い下シロアリの侵入阻止に有効と評価され、薬剤による土壌処理同等と位置付けられています。しかしながら、べた基礎底盤部部には、型枠固定金物の跡が孔となって残っており、その部分からのシロアリの侵入被害が多く報告されています。そのため、土壌処理も合わせて行なうことが望まれます。図2 人通口・床下点検口(2019年版フラット35対応木造住宅工事仕様書参考図3.3.2-1、基礎人通口・床下点検口の配置例、P39より)図1 床下換気(2019年版フラット35対応木造住宅工事仕様書参考図3.3.11、床下換気P47より)図3 基礎貫通部の防蟻措置(2019年版フラット35対応木造住宅工事仕様書参考図5.9-1、べた基礎における専用配管の貫通、P352より)

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