安全性に関連するキーワードおわりに・ミジンコに対する急性毒性・生物濃縮性・ADI9agreeable No.57 January 2021/1toerance liitTLm:medan No Level)を求めます。この無毒性ffect (疎水性が高く)、化学的に安定で魚類に及ぼす影響を把握する目的で評価を行います。試験中に供試動物の半数が96時間以内に死ぬ半数致死濃度(m)により判定します。試験ではコイのほか、ヒメダカ、ゼブラフィッシュ、ファットヘッドミノー、グッピー、ブルーギル、ニジマスを用いることが推奨されています。農薬においては、魚毒性は毒性の低い段階AからC及び指定農薬の4段階に分類されます。薬剤には水に溶けにくいものもあり、哺乳類に対する急性毒性は強いが、魚毒性は低いという物質もあります。水系食物連鎖における一次消費者であるミジンコを対象とし、化学物質に48時間暴露した際のミジンコの遊泳に及ぼす影響を評価します。ミジンコ繁殖阻害試験の予備試験の役割もあります。死、異常行動及び外見の変化を観察し、薬剤により半数の個体に影響がでる遊泳阻害半数影響濃度を求めます。生物濃縮は、自然界の生態系の中で、食物連鎖を経て生物体内に化学物質が濃縮されてゆく現象を言います。油となじみやすく代謝・分解を受けにくい化学物質は、排泄物として体外に排出される程度が低く、生物体内の脂質中などに蓄積されていく傾向があります。この化学物質を蓄積した生物を捕食する捕食者では、さらに体内の化学物質の濃度が上昇し、この食物連鎖を繰り返す中で、上位の捕食者ほど体内の化学物質濃度が上昇します。農薬や木材保存剤において、疎水性が高い(水に溶けにくい)こと、化学的に安定で分解しにくいことは、その成分の効果が長く維持できる要素でもあります。特に、シロアリ防除薬剤には年単位の残効性が必要です。生物濃縮性が高い化学物質は、使用時には微量であっても、環境中で生物濃縮が起こり、重大な影響を与える濃度になることもあり、食物などで巡り巡って人の生活にも影響を与える恐れがあります。この為、化学物質の、生物濃縮性を評価し、環境中に残留しにくい化合物を、できるだけ少量を効果的に用いることを目指しています。これまで、安全性データに関連 liE l する毒性・試験について説明しましたが、これらに関連し、化学物質の安全性を評価する数値とし、よくご質問を受ける指標を一つ紹介します。語で、「許容一日摂取量」と訳されます。ADIは人の体重1㎏当たり、1日当りの摂取量を㎎で示し、人が食品を介し生涯にわたり毎日摂取し続けても、健康上悪影響がないと考えられる一日あたりの摂取量の上限になります。農薬は、これまでに説明した毒性試験に加え、マウス、ラットや犬など2種類以上の試験動物に長期間、毎日対象の薬剤を摂取させる反復投与試験、発がん性試験や、生殖機能や生まれた子供の生育に与える影響を評価する繁殖毒性試験、試験動物の子供に奇形が生じないかを評価する催奇形性試験などを行います。これらの試験結果から、いずれの試験でも有害な影響がみられない最大投与量である無毒性量(NOAEL:量を100分の1にしたものをADIとします。100分の1とするのは、動物と人の種類の差を考慮し、10倍の安全係数をとり、さらに人の年齢や性別、健康状態などの個人差を考慮し10倍の安全係数を反映したものになりまAcceptabe DaObserved Adverse ily Intakeの略≪お詫びと訂正≫前号において、表1および文中において、述をいたしましたが、審査会の現規定では製製剤は急性吸入毒性を要件としない旨の記剤にも急性吸入毒性を求める内容となって当該部分を訂正させていただきます。ご迷おります。惑をお掛けした読者の皆様、ならびに関係各位に深くお詫び申し上げます。最新の情報について、審査会のWebページもしくは審査会にご確認をいただきますようお願い申し上げます。す。この安全係数は経験的に決められたものですが、安全性を確保する十分なものとして国際的に認められています。これまで2年間8回に渡り、シロアリ防除薬剤の製剤からその認定申請、安全性について解説をして参りました連載ですが、今回で終了となります。薬剤やその制度の根底については大きな変化はありませんが、法令や、市場、世間の動きに合わせて、シロアリ防除薬剤やその安全性に対する要求、試験方法や、認定申請における要件は年々変化しています。私たちメーカーは、この変化をきっちりと捉え、新しい薬剤の開発や、既存薬剤のより良い使用法、安全性に関する情報を提供し、皆様により安心してご使用いただけるように努めてまいります。長きにわたり、連載の機会をいただきましたこと、心より御礼申し上げます。24時間、48時間後の行動、生
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